中国軍機関紙・解放軍報は1月31日、軍の生物・化学兵器防御専門家、陳薇(54)少将が湖北省武漢市に入り、市の新型コロナウイルスによる肺炎の防疫対策に尽力していると報道した。中国メディアによると、陳氏が「最悪な状況を覚悟する必要がある」と述べたという。

これに対して、中国人ネットユーザーらは「生物兵器テロに遭ったのか」と不安の声を上げた。

解放軍報によると、陳氏らを含む軍の専門家チームは1月26日に武漢市に入った。陳氏は2003年に発生した重症急性呼吸器症候群(SARS)に関して、「医療分野で貢献をした」という。

中国紙・中国科学報2月3日付では、陳氏は現在の新型肺炎のまん延について、「最悪の状況を覚悟しなければならない。長期的な防疫態勢が必要であろう」と話した。

陳薇氏は、中国の工学・技術科学分野における最高研究機関、中国工程院の院士(メンバー)で、軍事科学院軍事医学研究院の研究員でもある。

同氏は、エボラウイルス、炭疽菌、ペストなどの分野で研究を行い、中国生物・化学兵器研究の第一人者とされる。


 

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中国版ツイッターの微博では、ネットユーザーらは

「なぜ、生物兵器の専門家が武漢市に行ったのか?本当に生物兵器(のウイルス)が漏えいしたのか」、

「なぜ、このタイミングで武漢市に行くのか?陰謀論を信じざるを得ない」

「P4実験室はどうして何も言わないのか」などと書き込んだ。

 

ネット上では、新型コロナウイルスの発生に関して、武漢市内にあるP4実験室(バイオセーフティーレベル4実験室)、中国科学院武漢国家生物安全実験室からウイルスが漏れたことが原因だとの見方が出ている。

こうしたネット上の騒ぎに、武漢ウイルス研究所の石正麗研究員は2月2日、SNSの微信(ウィーチャット)上で、「新型コロナウイルスは実験室と無関係であることを命をかけて保障します」と投稿した。

石氏の投稿に対して、ネットユーザーらは、同氏と他の研究者が5年前に共同執筆した研究論文をネット上に公開した。

論文は、コウモリに由来するSARSコロナウイルスに関する研究内容であった。ネットユーザーによると、同論文は2015年9月に国際医学誌「ネイチャー・メディシン(Nature Medicine)」に発表された

(当論文ではSARSやMERSのほか今回の2019-nCOVについても言及している)

同論文には、コウモリ集団におけるコロナウイルスの出現リスクを研究するために、研究チームは「キメラウイルス(遺伝子組換えを起こした変異株)を生成した」と記されている。

以上。

今回の2019-nCoVは、中国に生息する特定のコウモリを宿主として⇒中国から東南アジアに生息するコブラ系毒蛇⇒ヒト⇒ヒト-ヒト感染し、拡大したと見られている。

感染拡大当初、毒蛇を販売していた武漢の海鮮市場に関係する人たちの間で多くの感染者が発症していた。