アイコン ホンダ、GMから離れ日産にしがみ付く 両社EV提携

Posted:[ 2024年3月17日 ]

日産自とホンダが15日、電気自動車(EV)などの分野で、戦略提携の検討を始める覚書を結んだ。
両社が協業に踏み込んだのは、収益体質の大幅な改善という共通課題を抱えているため。規模を拡大することでコストを抑制し、攻勢を強める新興メーカーに対抗すると報じられている。
ただ、それだけだろうか。

トヨタに及ばぬ利益率
令和5年4~12月期の営業利益率をみるとホンダの四輪事業は4.6%、日産は5.2%で、トヨタ自の12.5%に遠く及ばず、軽自動車を主力とするスズキの9.0%にも後れを取っている。
ガソリン車並みの収益性のハイブリッド車(HV)の販売が好調なトヨタや、トップシェアを持つインド事業が拡大するスズキに対し、ホンダと日産には販売台数を牽引する収益成長の軸が見当たらない。

一方で、ホンダと日産が脱炭素戦略の軸とするEVでは、中国のBYD(比亜迪)など新興メーカーが勢力を拡大。BYDの昨年の総販売台数は300万台を突破し、ホンダが410万台、日産が355万台を見込む両社の5年度の販売台数に既に迫っている(BYDの2024年の販売計画台数は420万台)。

 



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ホンダとGM
ホンダはGMと組みEV開発を推進していたつもりだったが、GMは2016年からシボレーボルトEVを市販開始しており、システムそのものの開発は終わっている。次の完全自動運転車に向けた開発だろうが、完全自動運転車はまだまだ大きな山をいくつも抱えている。その前提にEVがあり、ホンダはすべてをGMに依存しきっていた。

GM依存症が仇に 
GMがEVシステムをボ゛ッタクリ価格でホンダに提案か
バッテリーにしてもLGと組んでいるが、ボルトで多数の火災問題が発生した。原因を製造会社であるLGは究明できず、GMが究明した経緯があるほど電池についても技術力を集積している。

GMとホンダは同じ土俵で相撲を取っており、当然、競合する。銭を出させて果実を穫るGM、EVの大衆車とされる500万円以下、販売台数も一番多い価格帯でもある。

高級車ならばブランド力や差別化が図られるが、大衆車は価格がポイント、GMから供給を受けるEVシステムはGMのボッタクリ価格、結果、販売価格が限りなく高くなることが判明、米国で戦えても日本も含め米国以外では戦えないことから、大衆車分野ではGMとの共同開発から離脱した(2023年10月発表)。
そして自社開発しようとしたものの、今から開発するにはあまりに時間がなさすぎ、水面下で日産ににじり寄っていたものと見られる。

ホンダの経営陣は自動車分野の経営では失敗続き、
米国ではタカタ製のエアバッグ問題で米当局のリコール要請に反論し、米当局を怒らせた時からHONDAの看板は曇った。

日本では2014年のFIT-HVで失速、信用失墜、日本では軽が売れており軽に満足したHONDA360戦略に陥って久しい。結果、ホンダの広告量も減り、日本での低迷を招いた。初期シビック、初期FIT、プレリュードが懐かしい。

ホンダは中国ではモデルチェンジ車が2021年冬に極寒地でエンジンがストップする問題が生じ、解決まで3ヶ月以上を要する事態に、営業が見切り販売させたのだろうか。事前に実証試験もないという技術力も落ちたのだろうか。

ホンダには圧倒的な販売戦略車が見当たらず、モデルチェンジ車含む新車に対する広告量も少ない。経営陣は過去のホンダのブランドにしがみ付き、販売しているのが現状ではないだろうか。すべてが後手後手に回り、ホールセールやインセンティブ販売を強化し販売台数の下落を食い止めるものの、営業利益を損ない続けている。
技術のホンダが技術を他社に依存した結果がGMとの顛末だろうか。もはや事なかれ主義のサラリーマンホンダになってしまっている。

SONY-HONDA車は高額販売されGMのEVシステムを採用するのだろうか。
世界ではEVの伸び率は鈍化しており、テスラとBYDは値下げ競争・デッドレースを繰り広げている。すでにEVは値下げしなければ売れない時代に突入している。
EVは高額所得の環境派と初物喰いに一巡し、すでに売れなくなり、EVのアンチ魅力ばかりが際立ってきている。
ただ、選択肢としてEVをショールームに飾るのと飾らないとでは雲泥の差がある。

「AFEELA」はSONYが圧倒的なCMを展開しない限り売れないだろう。静かになったSONYは音なしの構えで販売するのかもしれないが、ホンダもその魅力を以前からして半減させている。

米国の新興勢力では「Rivian」が昨年5万台販売し、今年は月1万台のペースになっている以外、ほかの新興メーカー車は売れていない。

中国ではトヨタとホンダは同じような商品構成ながら、2022年、2023年のホンダのマイナス幅の大きさが気になる。販売戦略に乏しい経営陣の責任問題でもある。

中国ではPHVが新エネ車としてナンバープレートの優先取得があり販売台数が大きく伸びているが、ホンダは中国市場にPHVを投入しているのだろうか。
すでにBYDのようにガソリン車より安価なEVの販売会社もあり、米国のように高い3元系バッテリーを使用する限りEVは高く売るしかなく、LFPバッテリーのメーカーでもあるBYDに市場のすべてを喰われてしまう。BYDは23年302万台の販売実績、24年420万台計画。


スクロール→

↓中国での販売

日本勢の輸入車含む販売台数(出典:マークラインズ公表値より作成)

中国の自動車販売台数

中国・ホンダ

中国・トヨタ

全中国/万台

 

台数

前年比

台数

前年比

工場出荷台数

2019

1,554,433

8.5%

1,620,700

9.0%

2,576.9

-8.2%

2020

1,626,972

4.7%

1,797,500

10.9%

2,531.1

-1.9%

2021

1,561,540

-4.0%

1,944,000

8.2%

2,627.5

3.8%

2022

1,373,122

-12.1%

1,940,600

-0.2%

2,686.4

2.1%

2023

1,234,181

-10.1%

1,907,600

-1.7%

3,009.4

12.0%

 

↓2023年の中国自動車販売の新エネ車内容

2023年の中国の自動車販売台数

   /万台

販売台数

前年比

EV

668.5

24.6%

PHV

280.4

84.7%

その他

2,060.5

3.1%

総計

3,009.4

12.0%

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