3月10日、農林水産省は、有限会社水迫畜産(鹿児島県指宿市山川福元788番地)が、牛肉の牛種について「黒毛和種」以外にも「肉専用種」、「交雑種」又は「ホルスタイン種」(乳牛)の原料牛肉を商品の一部又は全部として使用していたにもかかわらず、「黒毛和牛」と表示し、牛肉の原産地について、「鹿児島県産」以外にも「沖縄県産」又は「宮崎県産」の原料牛肉を商品の一部又は全部として使用していたにもかかわらず「鹿児島県産」と表示し、また、特定牛肉(=枝肉・部分肉・精肉)に事実と異なる個体識別番号を表示するなど不適正な表示を行い、ふるさと納税返礼品又は一般消費者向けとして販売したことを確認したと発表し不正表示が発覚した。
4月21日に農水省と県が、鹿児島市喜入瀬々串町にある加工場を合同で立入検査、再発防止策が適切に行われているか作業工程の確認や従業員への聞き取り調査を行った。
4月26日、これを受け鹿児島県警は、食品表示法違反の容疑で、鹿児島市にある水迫畜産の加工場と指宿市の事務所に家宅捜索を行った。
水迫畜産は、乳牛などを「黒毛和牛」と表示したり、県外産を含んだ牛肉を「鹿児島県産」と表示したりしていたもので該当数量は27トンに及ぶ。
農水省が是正を指示し、水迫畜産は4月、農水省に改善報告書を提出している。
水迫畜産の商品は、県内の8市町がふるさと納税の返礼品として扱っていて、わかっているだけで寄付件数はおよそ4万7000件、寄付額は約7億7000万円に上っている。
同社は一族経営の悪い面が出たと反省、是正するとしているが、詐欺商法であり、返礼品だけではなく輸出も不正がなかったか心配される。
鹿児島県産の黒毛和牛を真摯に生産し販売している畜産農家・畜産業者、指導している行政に対しても背任行為、・・・経営失格だろう。
水迫畜産グループは「牛に優しく・人に優しく・環境に優しい」を目標に掲げ、持続可能な和牛生産に取り組み、繁殖から肥育・飼料製造・有機肥料製造・食肉加工・卸売業までを一貫して手掛け、肥育頭数は約1万5,400頭に上るという。国内トップクラスの輸出量を誇り、海外への輸出もさかんで、同一生産者としては海外で最も食べられている和牛の一つになっているとマイナビ農業ニュースが報じていた。
また、屋島でも畜産し、月15頭出荷の「幻の(黒毛和牛の)屋久島ビーフ」として世界7ヶ国に輸出している。乳酸菌、黒麹、ウコン、にんにくを使用した配合飼料、大豆をふんだんに使用し赤肉李おいしさを引き出した屋久島ビーフを畜産している水迫グループは、有限会社水迫畜産と株式会社水迫ファームで構成され、指宿市を中心に鹿児島・宮崎・沖縄の3県にまたがって、和牛の生産・肥育・食肉卸業を営んでいる。水迫グループ保有頭数約16,000頭、年間出荷頭数約9,000頭で国内和牛の約50分の1、鹿児島県産和牛の約8分の1のシェア。海外への輸出も多く、「世界で最も食べられている和牛」を生産している。一番のこだわりは「霜降りに頼らない肉本来の美味しさを追求」 自家配合飼料工場を持ち完全オリジナル配合飼料の製造と、おから・ 植物性原料を発酵させた発酵飼料を自社で製造している。
水迫畜産は鹿児島県での肉用牛販売では2位だが、3位のグループの水迫ファームを加算すれば、県内第一位の牛肉卸販売会社。食肉専門卸大手のスターゼンとも取引している。
同社は、宮崎や沖縄にも畜産施設を有しており、そうした施設の牛を、鹿児島産と偽装していた可能性もあり、品質や味覚に問題はなかったかもしれないが(餌や生産管理が異なる他社からの仕入牛肉を使用していた場合は別)、まったく異なる乳牛種の牛肉を黒毛和牛に偽装していたことは言い訳にならず、犯罪行為でしかない。
【水迫畜産不適正表示 8市町返礼品判明分】
※寄付額は1万円未満を切り捨て
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件数 |
寄付額(円) |
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南九州市 |
2万3878 |
2億6766万 |
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枕崎市 |
1万3261 |
3億4312万 |
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指宿市 |
3685 |
4724万 |
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鹿屋市 |
2249 |
4837万 |
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鹿児島市 |
2142 |
2506万 |
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姶良市 |
1249 |
1998万 |
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垂水市 |
506 |
1377万 |
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伊仙町 |
487 |
561万 |
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計 |
4万7457 |
7億7081万 |
なお、グループの(株)水迫ファームは経営者も異なり、農水省の調査や県警の捜査の対象ではなく、親会社は重大不始末、グループとして甘受するしかない。
水迫畜産を再建するには、経営陣を総入れ替えし、代表にファーム代表の水迫栄治氏を昇格させ、一族経営をパージするしかない。一族は株主だけの存在にすることは、現経営陣の連帯歴任でもあろう。鹿児島県で一族経営は田舎では今も家長制度があり、抜本的に経営体質を変えない限り、1度あることは必ず2度ある。
また、水迫畜産を解散し、水迫ファームに事業を吸収させる手もある。その時にも水迫畜産の一族の経営陣をファームに入れないことが肝心要。
水迫畜産は、管理体制の問題だけでは済まされない、商売で信用そのものを無くした大きな経営危機でもある。
スクロール→
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会社名
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有限会社水迫畜産
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本社地
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鹿児島県指宿市山川福元788
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代表
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水迫政治
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設立
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1972年7月.
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資本金
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2000万円
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業種
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家畜の飼育、販売、繁殖
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飼料販売
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食料残渣の廃棄物収集・再生処理
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レストラン経営
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食肉加工食品製造
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など
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グループで16000頭肥育
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グループ企業
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(株)水迫ファーム
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鹿児島県指宿市東方10808-10
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代表取締役:水迫栄治
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肥育数:県内15ヶ所の農場(約7600頭)
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