熊本県は、2026年の地震で被災した中小企業などの事業再建を支援する「くまもと事業者再出発支援補助金」について、10月31日までに申請予定額を回答するよう事業者に求めている。10月中に正式な交付申請ができない事業者も対象となる。
同補助金は、被災した事業用施設や設備の復旧費用を支援する制度で、中小企業・小規模事業者などの補助率は原則4分の3、通常の補助上限額は3億円。一定の要件を満たす多重被災事業者などについては、最大15億円の特例が設けられている。
県によると、国からの支援には上限額が設定されており、必要な支援額を把握するため、事業者に「申請予定額連絡票」の提出を求めている。回答期限は10月31日で、正式な交付申請の締切日とは異なる。
国の支援枠に上限、県が申請予定額を事前把握
熊本県は、補助金の申請予定額を把握するため、10月中に交付申請が難しい事業者にも、10月31日までに申請予定額連絡票を提出するよう案内している。
これは、国からの支援額に上限があることを踏まえ、県が今後必要となる支援規模を把握するための手続きとなる。
連絡票に記載した申請予定額が、その後の正式な交付申請額の上限になるわけではない。また、今回の回答期限をもって交付申請の受付が一律に終了するものでもない。
現時点で国の支援枠が不足していることや、申請額が予算上限を超えていることを示す公表資料は確認できていない。
中小企業は補助率4分の3、特例は最大15億円
補助対象となるのは、地震によって被害を受けた事業用施設や設備の復旧費用。中小企業・小規模事業者などについては原則として対象経費の4分の3を補助し、通常の上限額は3億円となっている。
中堅企業などについては補助率が2分の1となる。また、一定の要件を満たす多重被災事業者や特定被災事業者などには、最大15億円の特例が設けられている。
特例の適用には個別の要件があり、すべての被災事業者が15億円の補助を受けられるわけではない。
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事業者区分 |
補助率 |
補助上限額 |
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中小企業・小規模事業者など |
原則4分の3 |
通常3億円 |
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中堅企業など |
2分の1 |
通常3億円 |
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多重被災事業者など |
特例要件による |
最大15億円 |
工場・店舗などの修繕、設備の復旧が対象
補助対象には、被災した工場や店舗などの事業用施設、製造機械をはじめとする事業用設備の復旧費用が含まれる。
施設については原則として登記されているもの、設備については資産計上されているものが対象となり、被災状況を確認できる写真や証明書などの提出が必要となる。
復旧方法は原状回復を基本とするが、修理ができない設備の入替えや、一定の条件を満たす建物の建替えなども補助対象となる場合がある。
従来より高性能な設備への入替えについても、要件を満たせば認められるが、補助対象経費は原状回復に必要な費用を上限とする。
施設の修繕や建替え、製造設備の復旧は、被災企業の事業再開だけでなく、建設工事や設備工事にも関係する。ただし、今回の補助制度による実際の工事発注件数や受注額は明らかになっていない。
10月から交付申請受付、県内各地で説明会
同補助金の第1次交付申請受付は10月1日に始まった。熊本県は事業者向け説明会を県内各地で実施しており、10月13日には熊本市で開催したほか、10月16日には御船町での開催を予定している。
10月31日までに求めている申請予定額の回答は、正式な交付申請とは別の手続きとなる。県は、10月中に申請できない事業者についても、必要額を把握するため連絡票を提出するよう求めている。
被災企業の施設・設備復旧には事業者ごとに異なる費用や工期が必要となるため、今後は補助金の交付決定状況や実際の復旧事業の進捗が注目される。