北海道情報

アイコン 【北海道・富良野】ウェスティン195室、2029年夏開業 北の峰で宿泊開発加速、地価30%上昇


北海道富良野市で、国際ホテルブランドを軸とした観光・不動産開発が広がっている。

積水ハウス、マリオット・インターナショナル、パシフィカホテルズは、「ウェスティン北海道富良野リゾート」を2029年夏に開業する。客室数は195室、地上9階・地下1階、延床面積約1万7,000平方メートルの大型ホテルとなる。

一方、周辺ではウェスティンだけでなく、北の峰、下御料、中御料などでホテルや宿泊施設を含む開発が相次いでいる。既存の新富良野プリンスホテルも改修工事を進めており、富良野では新規供給と既存施設への再投資が同時進行している。

 

スポンサーリンク
 
 

ウェスティン195室、延床約1.7万平方メートル

「ウェスティン北海道富良野リゾート」は積水ハウスが事業主となり、マリオット・インターナショナルの「Westin」ブランドで、パシフィカホテルズが運営する。

建物は鉄骨造、地上9階・地下1階、延床面積約1万7,000平方メートル。客室・スイート計195室のほか、レストラン、バー、フィットネス、スパ、大浴場、ファンクションルームなどを設ける計画で、2029年夏の開業を予定している。

富良野スキー場に近い北の峰エリアに、新たな国際ブランドホテルが加わる形となる。

一方、9月の正式発表では総事業費や建設費、設計者、施工者などは公表されていない。

エスコンも北の峰で約5ヘクタール取得

北の峰では別の大型不動産開発も動いている。

エスコンは2025年12月、富良野市で約4万9,736平方メートルの事業用地を取得した。同社にとって富良野市で初めての事業用地取得で、富良野スキー場に近い北の峰景観地区に位置する。

エスコンは用地の立地特性を生かし、「宿泊施設など」の開発に取り組むとしている。現時点では施設規模や客室数、着工・開業時期までは明らかにしていない。

ウェスティンとエスコンの計画は別事業だが、いずれも北の峰周辺で宿泊・観光需要を意識した不動産投資が進んでいることを示している。

中御料5.95ha、下御料4.97haでもホテル関連造成

富良野市が公表する開発行為の許可状況を見ると、観光関連の開発は北の峰だけではない。

中御料では5.95ヘクタールを対象としたホテル・宿泊施設の宅地造成が許可され、2025年から2026年を事業期間としている。また、下御料では4.97ヘクタールでホテル、寮、分譲宅地を含む造成が2026年に予定されている。

このほか中御料では2.27ヘクタールを使った酒類製造蒸留所、店舗、飲食店、事務所、倉庫の開発が2026年から2029年にかけて計画され、清水山でも店舗、工場、ホテルを含む0.48ヘクタールの開発が許可されている。

市の開発許可一覧ではこれらの事業者名を「民間」としている案件もあるため、ウェスティンやエスコンなど特定の事業者と結び付けることはできない。

地区・事業 規模 内容・時期
ウェスティン北海道富良野リゾート 延床約1.7万㎡・195室 2029年夏開業予定
エスコン・北の峰 約4万9,736㎡ 宿泊施設などを開発予定
中御料・ホテル等造成 5.95ha 2025~2026年
下御料・ホテル等造成 4.97ha ホテル・寮・分譲宅地、2026年
東5条3丁目街区 約1.4ha 店舗・ホテル・住宅・事務所など

新富良野プリンスも2026年に改修

新規ホテルだけでなく、既存リゾート施設への投資も進む。

新富良野プリンスホテルは2026年5月から、メインバンケットホールの改装、屋外テラスの新設、宿泊棟と「富良野温泉 紫彩の湯」を結ぶ新通路の整備を進めている。

2026年11月下旬のリニューアルオープンを予定し、MICEや婚礼、宴会に加え、スキー後の「アプレスキー」や夜間消費を意識した施設へ更新する。

新通路では宿泊棟から温泉までの移動距離を従来の240メートルから120メートルへ短縮する計画で、既存大型ホテルでも訪日客や通年観光を意識した再投資が行われている。

駅側でも1.4haの市街地再開発

観光投資はスキー場周辺だけではない。

富良野市中心部では「東5条3丁目街区地区第一種市街地再開発事業」が進められており、2025年9月に北海道知事の施行認可を受けた。

施行区域は約1.4ヘクタール。都市計画では3街区に分け、店舗・ホテルを中心に住宅、事務所、診療所などを整備する計画で、ホテルなどを配置する街区では延床面積約3,000~5,000平方メートル程度を想定している。

富良野駅側の中心市街地では都市機能と居住、観光客の回遊を組み合わせた再開発が進み、北の峰など山側のリゾート開発とは異なる形で建設投資が続いている。

北の峰の地価は30%上昇、全国2位

不動産投資の動きは地価にも表れている。

2026年地価公示で、富良野市北の峰町の住宅地は1平方メートル当たり8万4,500円となり、前年の6万5,000円から30.0%上昇した。住宅地の上昇率では全国2位となった。

同地点は2025年も31.3%上昇し、全国1位だった。2年連続で全国トップクラスの地価上昇となっている。

一方で、地価上昇と個々のホテル計画の因果関係を直接結び付けることはできない。確認できるのは、北の峰で地価が大きく上昇する時期に、複数の宿泊・不動産開発が並行して動いているという事実だ。

宿泊90万泊時代を見据える富良野

富良野市は「FURANO VISION 2030」で年間延べ宿泊数90万泊を目標としてきた。

市が2026年4月に公表した観光マーケティング調査では、2025年度に90万泊へ到達する見込みとし、インバウンドを中心に集客は好調と分析している。

今後の課題として市は「オールシーズン滞在型の国際観光地」を掲げている。ウェスティンの新規開業だけでなく、北の峰・御料地区の宿泊開発、既存ホテルの改修、市街地再開発が同時に進む現在の富良野は、観光需要の拡大が建設・不動産投資へ波及する局面に入っている。

ただし、各民間開発の事業主体や開業時期が公表されていない案件も多い。今後は着工、施工者決定、ホテルブランドや客室数の確定など、個別案件の具体化が次の焦点となる。

 

スポンサーリンク
  

 

 

スポンサーリンク
 

 

関連記事

 

 



PICK UP


破産・小口倒産一覧