ゲーム業界は今後ソーシャルゲームが牽引?/東京ゲームショウ(TGS)
幕張メッセで15日開幕した世界最大規模のゲーム展示会「東京ゲームショウ2011」(以下TGS)、会場マップ上ではソーシャルゲーム関連の出展が多く、一見今後の市場の牽引役であるようにもみえる。
スマートフォンの急拡大を受け、交流サイト(SNS)を通じて、利用者同士が交流して遊ぶ「ソーシャルゲーム」は急速に拡大した。
ソーシャルゲームは、高価なゲーム機本体を買わなくても、高容量化したスマートフォンなどの携帯電話で手軽に楽しめるのが特徴。既に大容量の電子ブックもそのターゲットになる。
国内では2008年から広がり始め、業界大手のディー・エヌ・エーは、市場規模は11年度に約2000億円に拡大し、12年度には3000億円に達する見通しとしている。
とはいうものの、集金ビジネスである日本型のソーシャルゲームでは、旧来のゲームファンと相反しているのも事実。
実際、広告を頂いている既存メディアの盛り上がりと違って、ネット上では家庭用ゲーム機の開発者筆頭に、その集金ビジネスのやり方に反発しているのも少なくない。
TGS会場内をみても家庭用ゲーム機(以下CS)と携帯ソーシャルゲームでは、盛り上がりは圧倒的にCSが上だ。
さらに、日本のソーシャルゲームは出会い系の隠れ蓑になっているという側面もある上に、通信規格である3Gが米国などと同様に従量制になった場合などを含め、日本のソーシャルゲームの先行きは、まだまだ不透明である。
数年後には、全く違った様相を見せている可能性もなくはない。
しかし一方で、CS機市場は、10年度は4,726億円と不況の09年より上回ったものの、任天堂が3DSを発売半年で大幅値引販売に踏み切るなど、数字上では市場が縮小しており、12月17日に新型携帯機VITAを発売予定のソニーも含め、今後の展開は厳しいようにみえる。
だが、PSPシリーズの大黒柱であるモンスターハンターシリーズ(カプコン)が、プラットフォームを3DSに電撃的に移籍し年末に投入、その痛手を負いながらソニーが満を持して新型携帯機を年末に発売、勢いに乗る任天堂が年末に向け大型ソフトを続々と投入する、など見所は多い。
現時点では、国内外ともに圧倒的な強さを誇る任天堂が、3DSをDSのような爆発的ヒットの流れにもっていけるかが、これから先のCS業界にとって鍵になってくるだろう。
ディー・エヌ・エーの業績推移 | |||||
連結/百万円 | 平成19年3月 | 平成20年3月 | 平成21年3月 | 平成22年3月 | 平成23年3月 |
売上高 | 14,181 | 29,736 | 37,607 | 48,105 | 112,728 |
経常利益 | 4,621 | 12,820 | 16,099 | 21,518 | 56,258 |
当期純利益 | 2,539 | 6,776 | 7,956 | 11,371 | 31,603 |
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