アイコン リニア中央新幹線の駅とルート案決定  品川・相模原橋本・甲府・飯田飯沼・中津川・名古屋

リニア中央新幹線の駅とルート案決定

JR東海は18日、2027年(14年後)に東京-名古屋間で開通を予定しているリニア中央新幹線について、駅の場所や詳細なルートの最終的な案を沿線の自治体に伝えた。
東京-名古屋間を約40分で結ぶリニア中央新幹線は、山梨県内の実験線で営業運転に向けた走行試験が8月から再開されている。
JR東海は18日、リニアの工事が環境に与える影響調査の結果をまとめた書類を、沿線の7都県と39の市区町村に提出、山田佳臣社長が名古屋市の本社で記者会見して駅の場所や詳細なルートの最終的な案を発表した。

<新駅>
それによると、リニアの駅は、東海道新幹線の東京の品川駅と名古屋駅のいずれも現行ホームの地下に設置される。
また中間駅は、神奈川県相模原市緑区のJR橋本駅近くの地下、山梨県甲府市大津町の地上に、長野県飯田市上郷飯沼の地上に、岐阜県中津川市千旦林近くの地上に設置するとしている。
ルートのほとんどは、地下のトンネルを通り、岐阜県中津川市と相模原市緑区に車両基地が建設される。
JR東海は今後、沿線の自治体で合わせて92回の説明会を開き、住民などからの意見を聞いたうえで、来年度からの着工を目指す予定。

<リニア中央新幹線計画とは>
「リニア中央新幹線」の計画では、14年後の2027年に東京-名古屋間で、さらに32年後の2045年に大阪までの全線で、開通が予定されている。
車両製造も含めた建設費用は、東京-大阪間の全線で9兆300億円と見込まれ、JR東海が負担する。
最高時速は500キロで、東京-名古屋間は、東海道新幹線に比べて約1時間短い40分で、東京-大阪間は約1時間20分短い1時間7分で結ぶ計画。

<環境影響を調査>
JR東海は、これまでに、東京-名古屋間をほぼ直線で結ぶおおまかなルートを明らかにして、建設工事が周辺の環境に与える影響を調査してきた。
18日、JR東海が公表した「環境影響評価準備書」には、こうした調査の結果が盛り込まれている。
ここではあわせて、東京・品川と名古屋市内に設けられるターミナル駅、それに、神奈川山梨、長野、岐阜の各県に1ヶ所ずつ設置される中間駅の詳細な場所が記された。
 今後、JR東海は、こうした内容を地元の自治体と住民に説明して意見を聞く予定。

<走行試験本格化>
一方、JR東海は山梨県内の「実験線」の区間をそれまでの18.4キロから42.8キロに延長し、先月29日からは営業用の最新型車両「L0系」を使った本格的な走行試験を始めた。
 今後、12両の長い編成でも走行させ営業運転に向けて、安全性などを確認する。

<来年度着工目指す>
こうした手続きや試験を経て、JR東海は「工事実施計画」を国に申請する予定で、来年度の「着工」を目指す。
経済界からは、東京オリンピックが開かれる2020年に開業の前倒しを要望する声も出ているが、JR東海や国土交通省は、長いトンネルでは掘るだけでも10年を要し「難しい」という認識を示している。
 参考:NHKほか

<超電導リニア>日本技術結集
磁気浮上方式鉄道としては他に、ドイツのトランスラピッドや日本のHSSTなどがあるが、この2者は常電導電磁石による浮上であり、超電導電磁石によるリニアモーターでの走行は、世界でもこの超電導リニアのみである。
超電導磁石による浮上・案内という基本原理は、米国のPowell、Danby両博士の米国機械学会誌への発表によるものであるが、その後、基礎技術から日本で独自に研究・開発が行われた点も特筆すべき事柄である。

日本での開発当初は、車両中央で凸部をまたぐような、逆T字軌道が採用されていた。車両は逆T字をまたぐ形で走行するが、この場合客室部分を確保するため車両の全高が高くなる欠点が存在した。宮崎実験線で1980年(昭和55年)に軌道を改修してU字軌道に変更。この改修では、軌道底面に浮上用コイル、側壁に推進用コイルが設置されていた。宮崎実験線段階を終え、長距離実験線の山梨へ移動、技術的には既に実用化段階にあり、試験走行(有人)で2003年(平成15年)12月に世界最高の581 km/hを記録、現在もこの世界記録を保持している。山梨県に18.4 kmの実験線があり、2013年8月、4両編成試験走行でも500 km/hを実現している。

[ 2013年9月18日 ]
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