アイコン 円安にしびれ切らした牛丼の値上げ競争 日銀黒田丸支援 決算予定比較

吉野家の牛丼牛丼価格戦争、それを支援したのはノータリンな野田民主党政権による途方もない円高であった。
2011年1月に始まった牛丼戦争は、すき家、吉野家、松屋フーズの各社が期間限定ながら、主力の牛丼並盛り価格を、
すき家が280円を250円に30円値引。
吉野家は380円を270円に、更に吉野家の牛皿並280円をなんと170円で販売。
松屋も牛丼並320円を240円に、松屋は期間限定ながら(当時)最安値更新していた。

こうして始まった牛丼戦争は、一方で利益捻出をはかるため社員をこき使うブラック企業としての汚名も醸成させていた。当時の対ドル円は82円前後だった。

3社は、ともに安価な海外産の牛肉を使用しているが、吉野家はアメリカ産牛(飼料生育牛)、すき家と松屋は豪州産牛(放牧牛)であり、また、アメリカはBSEを発生させたことにより、日本から部位輸入制限をかけられ、輸入価格は割高となっていた。一方、豪州産牛はBSE問題に関係なく、そもそも米牛より大幅に安く輸入されていた。
その価格差を利用して松尾とすき家は吉野家を揺さぶりにかけたものであった。

<安倍政権誕生>
だが、2012年12月安倍政権誕生で一変、円安が進み、3社とも輸入価格が高騰、値下げ競争どころではなくなった。
2012年10月対ドル円が79円前後だったものが、政権交代の12年12月には86円前後に、翌年の黒田丸の大砲で2013年4月には95円前後に、12月には105円前後まで跳ね上り、1年2ヶ月で39%も値上がりした。
その後は、102円~104円の動きだったが、2014年9月になるとアメリカの金融緩和終了政策により円は109円前後になり、とどの詰まりには、10月末になるといきなり黒田丸が金融緩和拡大策を発表するわ、人様が積み立てた年金基金の投資先をバクチの株式投資を倍増(15兆前後を32兆円に。25%枠))させると同日発表して、株価は上がるわ、円は急落するわでてんてこ舞い、今では118円~120円程度で推移している。

<牛肉価格の変遷>海外では価格がその間一定であったという前提
この間、牛肉価格は、10年10月を基準とするならば、118円として49.3%の牛肉輸入価格の上昇を見ていることになる。
牛丼戦争ゆえに骨身を削って大量販売方式により維持してきた価格、牛肉輸入原価が上がれば、対応する余力もなく、困った困ったということになった。
吉野家は、先般掲載したとおり、並盛を80円も値上げすることを発表した。
松屋は、既に従来品より「並盛り」で90円も高い商品を出しているが、牛丼で使うコメを安くなった国産米に全部切り替えることも検討している。
すき家は、並盛はいまだ270円だが、人手不足が襲い、店舗を閉めるに至るなど別の大きな問題も抱え、赤字からの脱却を模索中だ。

「デフレの象徴」といわれた牛丼戦争の結末は、日銀黒田丸を強力に助っ人する「脱デフレの象徴」となりそうだ。
 

吉野家
連結/百万円
12年2月期
13年2月期
14年2月期
15/2期予
売上高
165,883
164,599
173,418
175,000
営業利益
4,801
1,877
2,179
3,300
経常利益
5,311
2,460
3,270
3,700
当期利益
1,310
-364
698
1,000
 
松屋
連結/百万円
12年3月期
13年3月期
14年3月期
15/3期予
売上高
75,653
79,091
78,939
81260
営業利益
4,848
1,927
2,347
2280
経常利益
4,874
1,950
2,352
2310
当期利益
2,128
770
690
860
 
すき家のゼンショー
連結/百万円
12年3月期
13年3月期
14年3月期
15/3期予
売上高
402,962
417,577
468,377
509,291
営業利益
21,005
14,736
8,134
-1,774
経常利益
19,300
13,873
7,957
-2,411
当期利益
3,068
5,058
1,103
-7,534
 
[ 2014年12月12日 ]
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