米バイオ医薬品大手モデルナ社は11月30日、開発中の新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を米食品医薬品局(FDA)と欧州医薬品庁(EMA)に申請すると発表した。
後期臨床試験(治験)から、深刻な安全性を巡る問題はなく、94.1%の予防効果が確認されたことを受けた動き。
モデルナによると、ワクチンの効果はあらゆる年齢や人種、性別の患者に一貫して確認され、重度の新型コロナ感染症の予防では100%の効果があったという。
治験には3万人超が参加。うち新型コロナに感染した196人のデータによると、185人はプラセボ(偽薬)、11人にはワクチンが投与された。また、コロナ感染症が重症化した30人は、いずれもプラセボの投与だった。
FDAへのコロナワクチンは、米ファイザー(+独ビオンテック)の11月20日申請に続き2例目。ファイザーは、ワクチンの治験で95%の予防効果が確認されたという最終結果を発表している。
アザー米厚生長官はCBSのテレビ番組「ディス・モーニング」に対し、「米国ではクリスマスまでに2種類のワクチンの接種が可能となる見通し」と語った。
同長官によると、FDAの諮問委員会が12月10日に開く会合でファイザーのワクチンに関する検討を行い、同ワクチンは数日中に承認、出荷される可能性がある。
またモデルナのワクチンも、1週間ほど遅れて承認、出荷される見込み。
モデルナは、米国向けとして、年末までに約2000万回分のワクチン供給の用意が整う見通しとした。
以上、ロイター参照
ファイザーも米国での年末までのワクチン供給量は2千万人分程度と以前報道されていた。
輸送問題、
ファイザーのmRNA型ワクチンは極低温保管が必要となり、物流から接種までにいろいろに制約がある。ワクチン製造拠点は米国、ドイツ、ベルギーなどにあるが、ドライアイスを使い、推奨温度で最長10日間のうちに空路もしくは陸路で凍結したワクチンを輸送することになる。
ワクチンの配送後は、州や地方の医療機関が保管や投与の責任を負う。
このワクチンが保管できる期間は超低温で最長6ヶ月間、病院で普通に入手可能な冷蔵庫のセ氏2~8度で5日間。ファイザーの保管設備は最大15日間にわたり氷を補充できるという。
しかし氷点をやや上回る普通の冷蔵庫の温度では5日間程度で傷んでしまう。
モデルナのmRNA型ワクチンは、このような超低温で保管する必要がない。
ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)とノババックスや英アストラゼネカ×OX大のワクチンは、普通の冷蔵庫で温度管理可能なセ氏2~8度で保管できる。
ファイザーとモデルナ社は、年末まで1億人分、来年末までに8億人分のワクチンを製造するとロイターが報じていた。
日本の厚労省は7月31日、ファイザー製ワクチンは来年6月末までに6000万人分の供給が可能とされていた。ファイザー製ワクチンは10月から日本でも臨床試験が行われている。
<モデルナ社とアンジェスの株価>
モデルナ社は申請を受け15%さらに値上がり、年初から600%の値上がっている。
大阪大発アンジェスは2週遅れでどうすんのだろ。