英オックスフォード大学は2月2日、昨年12月までにイギリスやブラジル、そして南アフリカで約1万7000人を対象に行ったこのワクチンの追加の臨床試験の結果を発表した。
オックスフォード大学は、製薬大手アストラゼネカと開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、1回目の接種の3ヶ月後でも有効性は76%で、一定期間は効果が続くとする研究結果を発表した。
英政府は、1回でも接種する人を増やすために2回目までの間隔を最大3ヶ月に延ばすことにしていて、研究チームはこの方針を支持する結果だとしている。
このワクチンは通常2回接種だが、発表によると、1回の接種でも、有効性は22日後から90日後まで76%で、この間、有効性の低下はみられなかったという。
また、2回目の接種までの間隔を変えたところ、6週間以内に2回目を接種した場合の有効性は54.9%だったのに対し、12週間(84日)以上空けて2回目を接種した場合の有効性は82.4%に高まったとしている。
今回の結果について研究チームは「1回の接種でも一定の期間、高い有効性が維持されることがわかった。接種の間隔を最大3ヶ月とする英国の専門家委員会の方針を支持する結果となった」としている。
一方、これとは別のワクチンでは、接種の間隔を3週間としている、米製薬大手ファイザー製ワクチンは接種間隔を3週間としている。英政府の方針について「臨床試験では1回目の接種後にどれだけの有効性があるか十分示されていない」として、間隔を変えて接種することは推奨しないとしている。
以上、NHK報道参照
ファイザーとモデルナのワクチンは核酸mRNAワクチンであり、アストラゼネカ製はアデノウィルスを応用したベクター系ワクチン、まったく別手法のワクチン、
アストラゼネカは第2相、第3層の臨床試験を最初に行っていたが、中途半端な臨床試験を行い、申請時、当初から高齢者に対する臨床データが少なすぎ、評価できないとされ、12月に入り追加治験を行っていた。今回もドイツが高齢者には接種させないとしていることについて、発言していないようだ。
すべては、アストラゼネカの臨床治験グループがいい加減だったことによるものと見られる。
11月の同社の発表では、規定量での治験効果は70%、たまたま半分に希薄させたワクチンの接種者の有効性は90%だったと報告していた。結果、規定量での効果70%が正式有効性になっていた。
しかし、高齢者に対するデータが少なく、使用承認を受けられず、追加治験に入っていた。
今回、南アでも治験しており、南ア型変異株の接種者への効果はどうだったのかも報告されていない。
ファイザー製は英国型変異株については、有効性は変わらなかったが南ア型は有効性が落ち、すぐ南ア型にも対応するワクチンを開発するとしている。
アストラゼネカは、ファイザー製とモデルナ製、中国製などに先を越され、焦っているようだ。臨床治験部門を強化していなかったことに起因しようか。早すぎて感染が世界的に8月から9月にかけ一時減ったときに重なったことにも起因していようか。
今回の発表も指摘された問題には言及されておらず、まだ欠陥だらけだ。
日本でも早くから臨床治験を行っているが、使用承認するためには別途、最初の治験データと追加臨床治験データを取得し分析する必要があろう。
日本政府は同社と1.2億回分(6千万人分)の契約をしている。