日本の公的病院は・・・
厚労省直轄の国立病院が141病院、労災病院が32病院、地域医療機能推進機構57病院
国立大学付属病院47病院
自治体設置の公立病院(県立+市立)は918件、
合計1195病院に民間病院計7485病院加え客の取り合い、相変わらず薬漬け、横の連携はおろか競争に明け暮れている。(日本の病床は105万病床ある。それも精神科病院は除いている)
徳州会がそうした日本の医療行政に風穴を開けようとしたが、医師会と厚労省という医療行政特権者たちによって徳州会の計画は潰された。
新コロナ患者を一部公的病院が受け入れないと騒いでいるが、受入体制にないことにあり、どっかの組織を代弁して、「大学病院は最高難度の一般医療を担っており、新コロナ患者を受け入れさせるべきではない」という医療業界関係者の話。それも現実だろう。
日本の厚労省は、2003年のSARSで大騒ぎし、2009年の鳥インフルエンザで大騒ぎ(タミフル問題)したものの大きな影響は受けなかった。その後腐れタミフル問題まで生じさせていた。
感染症は日本には水際作戦があり、関係ないとばかりに、感染症に対する病院系列も構築してこなかった。
医療崩壊の元凶は、非常時においても、新コロナ医療と通常医療の混在にある。それに加え、COVID-19では、それぞれの病院がばらばらに動いている、動かせている。厚労省は指示命令ばかりするだけで、肝心の感染症に対する医療系統の構築を民間も含めまったく行ってこず、今回の新コロナでは急遽、都道府県の責任に問題を摩り替えてしまっている。
民間も含め、系統だって体制を事前に作っていれば、感染症指定の公的病院の患者を強制的に民間病院へ移動させたり、公的病院を新コロナ感染患者用にすれば、いくらでも感染者を受け入れることができる、できたはずだ。
新コロナではすべて後手に回り、厚労省は5月7日まで感染基準を富士山より高くして、当初から重症患者を受け入れる体制を取り、病院で亡くなる人たちが急増した4月・5月だった。
国はこれまでに公的病院を赤字問題からどれほど潰してきただろうか。昨年2月に新コロナにより一時中止されたが、その上で公的病院の約400病院を潰すことを決定し、病院名さえ公表していた。
今や公的病院も黒字経営が求められ、近隣の私立病院、公的病院ともライバル関係、ライバル関係は言いとしても客の取り合いとなっている。
おまけに、厚労省は、市民が大きな病院へは直接受診させないシステムを作り上げ、町医者最優先策に舵を切り、紹介状がなければ大きな病院での受診をできなくし、さらに公的病院経営は難しくなっている。
そこには、日本の医大学閥系列問題が横たわっている。
A医大卒の開業医は当然、A医大と関係する私立病院を紹介する。それに加え、営業エリアで、公的病院はライバルとなる私立病院が新たに開設されれば、医大学閥により潰れるしかない。特に地方では顕著だ。
おまけ
肝心の日本政府の水際作戦も効果0どころかマイナスだった。
欧州では2月、イタリアで感染の狼煙が上がり、瞬く間に欧州中に広がる中、日本人のビジネス客や旅行者が欧米のロックダウン、飛行停止を恐れ、急遽、大挙して帰国していた。
(2月イタリア国内での移動制限、台湾(2019年12月31日から武漢からの入国禁止。その後拡大)やベトナム(2020年2月7日入国制限)など)
厚労省成田空港検疫所では、昨年3月12日~19日の間、PCR検査用の試料を汚染させ、検査不能になっていた。検査もせず、帰国者、入国者に対して14日間の隔離措置も取らず、これにより帰国者が全国へ帰郷しウイルスを大量にバラ撒くことになった。
2月までの感染者は武漢型コロナウイルスだったが、3月からは武漢型から変異した欧州型コロナウイルスに変わったと当時発表されていた。
自民党議員、曰く、厚労省の水浸し作戦だという。
当時の厚労相は加藤(現)官房長官だ。新コロナで白々しく説明する加藤官房長官でもある。諸悪の権化としか言いようがない。
米国は日本の68倍(人口当たりでは26倍)の感染者数だが、第2波、第3波では医療パニックを起こし、医療施設を急拡充。日本は第1波、第2波の教訓を生かさず、第3波で医療を崩壊させてしまった。
想定外が何回でもまかり通る国であり仕方なかろう。
致死率にしても日本の68倍の感染者数がありながら米国(1.71%)は、日本(1.55%)とそれほど変わらない。
日本は1,043人(現在815人)の重症者で医療パニック、米国は現在でも22,544人の重症者がいる(2月6日現在)がパニックの話は聞かない。人口比は3倍もない。
今度、重症化率の高い感染症が蔓延した場合、日本はこのままでは即ダウンすることだろう。治療薬開発力もワクチン開発力も、感染症に対する医療体制もない。(感染症の指定病院はあるが、数は限られる。そもそも日本政府にパンデミックという考え方がなく、シミュレーションもしておらず、ぶっつけ本番でここまできている。)
以上、キャノン戦略研究所の論説一部参照