田村厚労相は10日、副作用について、アナフィラキシー症状を発症した人はこれまでに25人、米国より多いようだと発表した。ただ、ほかの副作用については何も報告されなかった。
韓国はデジタル化、ネットワーク化が進んでおり、下記表のように集計も細かく分析している。それに比べ、日本は当時の加藤大臣が率いる厚労省が昨年5月に新コロナ一元管理システム「HER-SYS(ハーシス)」を構築して全国自治体に使用を要請しているが、問題だらけで10ヶ月経過してもほとんど使用されず、厚労省の日々の新コロナ感染者情報の発表値も、都道府県が発表するHPを見て集計している有様。当時の加藤大臣が率いる厚労省が分けのわからないソフト会社に発注した接触アプリ「COCOA」も完全に機能しているのかどうかもわからない。
日本ではワクチン接種の全国一元管理システムなど到底望めようもなく、アナフィラキシー症状以外の副作用の報告はなされていない(実際は2月17日~2月25日分で重篤副作用3件だけ開示されている)。
日韓を比較するとアナフィラキシー(症状含む)については、発症率はそれほど違わないが、前提となるワクチン種は、日本はファイザー製、韓国はほとんどアストラゼネカ製(AZ製)となっている。
日本のアナフィラキシー発症者はほとんどが女性(25人中1人男性)、韓国は男性も女性も発症しており、ワクチン種の違いが出ている可能性もある。
米国との違いは、欧米人種とモンゴル系統人種の違いが出ている可能性も否定できない。
接種対象も日本は医療関係者、韓国は65歳未満の基礎疾患者や既往症で療養病院に入院している人など体力的に脆弱な人を対象としており、その違いは韓国では究極の間接的副作用である死亡者の多さに現れているようだ。
気になるのは、医療関係者は健常者、韓国は脆弱者が接種対象でありながら、日本のアナフィラキシー発症者が率にして多い点であろうか。
総じて、ワクチンの違いはあるが副作用は似ているようだ。
願わくば、厚労省は早期にそのほかの重症・軽症を含めた副作用報告を週1回公表してもらいたいものだ。
追、厚労省が10日発表した副作用報告では、2月17日~2月25日分が報告されており、重篤副作用3件が発表されるにとどまっている。厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会のどこかが、情報を抱え込んだままにしている。
ファイザー製のmRNA型もAZ製のベクター型も世界で初めてワクチンとして緊急使用が認められたワクチン、田村厚労相は副作用を随時発表すると宣言しており、週に1回でも国民に周知する義務があるのではなかろうか。
↓<比較表>
韓国の値は「新型コロナ予防接種対応推進団」の発表値より。
日本は田村厚労相発表値および厚労省HPより。
スクロール→
ワクチン副作用
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副作用
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韓国
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日本
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アメリカ
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ワクチン種
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AZ製(主)
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ファイザー製
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ファイザー製
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接種開始日
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2月26日
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2月17日
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12月14日
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発表日
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10日現在
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10日現在
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摘要
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65歳未満
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医療関係者
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既往症患者等
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接種数
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446,941
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148,950
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1,000,000
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死亡
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15
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1
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アナフィラキシー
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50
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25
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5
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発症率
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0.0112%
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0.0168%
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0.0005%
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その他副作用
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5,717
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発表なし
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↓接種数
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韓国、3月9日までの副作用数、ワクチン種別
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副作用数
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発生率
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接種数
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AZ製
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4,827
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1.27%
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377,138
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ファイザー製
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30
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0.48%
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6,208
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・アナフィラキシーは痙攣など重症で疑われる事例含む
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副作用は、筋肉痛、頭痛、悪寒、高熱含む発熱、むかつき、嘔吐など。死亡原因については調査中。
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韓国、3600件の年齢別副作用分析(発生率)
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発生率
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若い人に多い/新型コロナ予防接種推進団の報告26日~3月6日
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20代
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3.0%
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30代
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1.7%
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40代
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1.0%
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50代
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0.7%
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60代
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0.4%
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※米国の3月9日までの接種回数は9,570万回(米CDCのHP値)
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