企業経営において、売掛金の未回収は資金繰りを悪化させる大きなリスクです。特に取引先が経営不振や倒産した場合、債権回収が困難になることも少なくありません。本記事では、債権回収の基本的な方法と実践的なポイントを解説します。
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1. 事前対策:未回収リスクを減らすために
債権回収のトラブルを防ぐには、取引開始前からリスク管理を徹底することが重要です。
① 取引先の信用調査
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新規取引前に、帝国データバンクや東京商工リサーチなどの信用調査機関のデータを確認する。
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決算書や支払い履歴を分析し、財務状況を把握する。
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過去の取引実績や評判を業界内で確認する。
② 支払い条件の明確化
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契約書に支払い期限や遅延利息の規定を明記する。
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必要に応じて担保や保証人を設定する。
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前払い、または分割払いの条件を交渉する。
③ 債権の証拠を確保
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請求書や納品書の控えを確実に保管する。
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取引内容を記録し、合意事項は書面で残す。
2. 債権回収の基本ステップ
① 期日を過ぎたらすぐに督促
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まずは電話やメールで支払いを促す。
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「支払い忘れ」など単純なミスの可能性もあるため、柔らかい口調で確認する。
② 内容証明郵便を送る
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何度か督促しても支払いがない場合、正式な請求書や内容証明郵便を送る。
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内容証明郵便は法的効力があり、支払いの意思を示さない相手に対して心理的圧力をかける効果がある。
③ 法的手続きの準備
支払いが滞ったままの場合、法的手続きを検討する。
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少額訴訟(請求額が60万円以下)
簡易裁判所で迅速に解決できる。通常1回の審理で判決が出るため、費用も抑えられる。
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支払督促
裁判所を通じて相手に支払いを命じる手続き。相手が異議を申し立てなければ、そのまま強制執行が可能。
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民事訴訟
高額な債権回収には、通常の裁判手続きが必要。弁護士のサポートを受けることで、回収の可能性を高められる。
3. 取引先が倒産した場合の対応
取引先が破産・民事再生・会社更生などの手続きを開始すると、債権回収はさらに困難になる。
① 破産手続きの場合
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破産管財人に債権届を提出する(期限を過ぎると回収不可)。
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担保があれば、優先的に弁済を受けられる可能性がある。
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無担保債権の場合、配当はほぼ期待できないため、税務処理で貸倒損失として計上することも検討。
② 民事再生・会社更生の場合
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債権者集会に参加し、弁済計画の内容を確認する。
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再生計画に基づき、分割払いなどで回収の可能性を探る。
4. 債権回収を専門家に依頼するタイミング
債権回収が難航する場合、弁護士や債権回収会社への相談を検討すべきタイミングがある。
① 相手が支払いを拒否している場合
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「払う意思がない」「連絡が取れない」など、支払いを逃れる姿勢が見られる場合。
② 高額な債権で訴訟が必要な場合
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裁判手続きが必要になった場合、弁護士のサポートが不可欠。
③ 多数の未回収債権がある場合
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債権回収会社(サービサー)に依頼し、まとめて回収を委託する方法もある。
5. 債権回収の成功率を高めるために
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早期対応が重要:回収が遅れるほど、回収率は低下する。
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記録を残す:契約書や請求書の管理を徹底し、証拠を確保する。
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交渉力を持つ:柔軟な返済計画の提案や法的手段の示唆で、支払いを促す。

まとめ
債権回収は、未然に防ぐ対策と迅速な対応が鍵を握る。特に取引先の信用管理、契約の明確化、法的手続きの準備を怠らないことが重要だ。万が一、回収が困難になった場合は、専門家の力を借りることも選択肢の一つとなる。
