https://n-seikei.jp/2026/04/post-117953.html
まず結論から言おう。
これはルールではない。“勝者を固定するための狡猾な仕組み”だ。
長崎県が平成16年に作った「海砂採取事務取扱要領」というのがある。
一見すると、よくある行政ルールに見える。
だが中身を覗くと、その構造は驚くほど狡猾でシンプルだ。
「新規は来るな。既存だけで回せ」そう言っているに等しい。
問題の核心はここだ。
「砂利協会の会員で、かつ3年以内に実績があること」一瞬、何の変哲もないふつうの条件に見える。
だが冷静に考えてほしい。
新しく参入したい事業者は、どうやって“過去3年の実績”を作るのか?
答えは簡単だ。『作れない。』
つまりこの制度はこういうことになる。
• 実績がないと参入できない
• 参入できないから実績も作れない
はい、これで完成です。

これが有明商事型・新規参入排除システムである。
これは資格ではない。これは狡猾な“排除条件”である。
さらにもう一段階、仕掛けがある。
「長崎県砂利協会の正会員または賛助会員であること」
ここで登場するのが“協会”だ。
しかもこの協会、構成はごく少数。
実質的には限られた業者グループで回っている。

つまりどういう構図か。
• 協会に入っていないとダメ
• 協会に入れるかどうかは既存側の空気次第
• さらに実績も必要
これを一言で言うと、
「仲間じゃないと入れません」
しかも“仲間入り”の条件は、
すでに中にいる人間が決める。
……これ、何の世界だ?
■ 行政がやっていいライン、完全に超えてる
本来、行政が見るべきものは何か?
• 技術があるか
• 安全管理ができるか
• 環境に配慮できるか
つまり能力と適格性だ。
ところがこの制度は違う。
見ているのはたったこれだけ。
• どこのグループか
• 過去にやっていたか
つまり、
「能力」ではなく「所属」と「履歴」
これを行政が条件にする時点で、もはや中立でも公平でもない。
■ そして完成する“見えない独占”
ここまでの条件を全部つなげるとどうなるか。
• 会員であること
• 実績があること
• 船も自前で持っていること(※これも後で出てくる)
この3つを満たせるのは誰か?
答えはひとつ。
「すでにやっている事業者」だけ。
つまりこの制度は、
• 新規参入 → 不可能
• 中小 → ほぼ排除
• 既存 → 安泰
という構造を、静かに完成させている。
しかも厄介なのは、これが“表向き合法”に見えることだ。
■ これはルールじゃない。「囲い込み」だ
ここで改めて言う。
これは規制ではない。
悪質で狡猾な囲い込みだ。
• 市場を開かない
• 新規を入れない
• 既存だけで回す
そのための条件を、後付けで整えた。
そう疑われても仕方がない内容になっている。
まさに独占禁止法違反なのである。
JC-net・日刊セイケイ編集長・中山洋次