日経平均株価が史上最高値を更新し、市場が沸き立つ一方で、街の食卓やサービス業を支える現場には冷たい風が吹き抜けている。中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の再高騰や、高止まりする原材料費が、経営体力の乏しい中小零細企業を追い詰めているからだ。
迫る再値上げの波、飲食・サービス業に暗雲 燃料・資材高騰が直撃日経平均株価が史上最高値を更新し、市場が沸き立つ一方で、街の食卓やサービス業を支える現場には冷たい風が吹き抜けている。中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の再高騰や、高止まりする原材料費が、経営体力の乏しい中小零細企業を追い詰めているからだ。
「これ以上のコスト削減は、もう限界だ」。都内で居酒屋を営む店主は、納品伝票を見つめて溜息をつく。食用油や小麦粉といった食材費に加え、深刻なのが光熱費の負担増だ。政府の補助金による抑制策があるとはいえ、円安の影響を受けた燃料価格の上昇は、物流費という形でメニュー価格に重くのしかかる。
調査会社の最新の調査では、原材料高を理由とした「物価高倒産」は高水準で推移しており、中でも飲食店を含むサービス業の苦境が際立つ。人手不足に伴う賃金上昇も重なり、コスト増を価格へ十分に転嫁できない「転嫁難」が、廃業を決断させる最後の引き金となっている。
コロナ禍の公的支援という「延命措置」が終わり、本格的な返済期を迎える中で訪れた、再度のコスト高。華やかな株価の推移とは対極に、地域経済を支えてきた暖簾(のれん)がまた一つ、ひっそりと姿を消そうとしている。