家電量販店最大手のヤマダホールディングスと大手のエディオンが、経営統合に向けて検討を進めていることが4日、分かった。両社は同日、それぞれ「経営統合について検討していることは事実」とコメントし、5日の取締役会で決議する予定だと明らかにした。
統合案では、新たに持ち株会社を設立し、ヤマダHDとエディオンをその傘下に置く形が軸になるとみられる。実現すれば、両社の売上高は単純合算で約2兆5千億円に達し、家電量販業界で突出した規模の企業連合が誕生することになる。
背景には、人口減少やネット通販の拡大によって、従来型の家電販売だけでは成長を描きにくくなっている事情がある。家電量販各社は近年、メーカー品の販売に加え、自社企画のプライベートブランド商品や住宅リフォーム、修理、設置サービスなどを強化している。価格競争に陥りやすい家電販売から、生活関連サービス全体で収益を確保する動きが強まっている。
ヤマダHDは全国に多数の店舗網を持ち、住宅やリフォーム、金融、環境関連事業にも事業領域を広げてきた。一方のエディオンは西日本を中心に地域密着型の店舗網を築き、プライベートブランド商品やリフォーム事業にも力を入れている。両社が統合すれば、商品開発や仕入れ、物流、店舗運営などで効率化が進む可能性がある。
とくに焦点となるのは、プライベートブランド商品の強化だ。家電はインターネット上で価格比較されやすく、量販店にとって利益を確保しにくい商品分野になっている。自社企画品や専売品を増やせば、価格競争を避けながら利益率を高めやすい。統合によって販売規模が広がれば、開発や調達面での交渉力も高まる。
一方で、統合には課題もある。両社の店舗が重なる地域では、店舗の整理や人員配置の見直しが避けられない可能性がある。消費者にとっては、サービス網の拡充や価格競争力の向上が期待される一方、地域によっては競争が弱まり、選択肢が減る懸念もある。
家電業界では、ノジマが日立製作所の家電事業を買収する方針を示すなど、小売とメーカーの境界を越えた再編も進んでいる。市場の縮小が見込まれるなか、各社は規模の拡大だけでなく、商品開発力やサービス力を競う段階に入った。
ヤマダHDとエディオンの統合が実現すれば、家電量販業界の勢力図は大きく塗り替わる。今後は、統合比率や新会社の体制に加え、公正取引委員会による審査、店舗再編の行方が焦点となる。