アイコン イオン、背水の「救済」 赤字のジーフット完全子会社化


流通大手イオンは8日、連結子会社の靴専門店「ジーフット」を完全子会社化すると発表した。かつてはグループの成長をけん引した靴専業の「稼ぎ頭」も、足元では債務超過の危機に直面。親会社の主導で上場廃止という「外科手術」に踏み切る背景には、巨大流通グループが抱える、GMS(総合スーパー)事業再編の遅れという積年の課題が透けて見える。

 

■加速した「靴離れ」
 ジーフットが同日発表した2026年2月期決算は、最終損益が32億円の赤字となった。赤字幅は前年から3倍に拡大し、負債総額は345億円に達した。自己資本が底をつく「債務超過」という崖っぷちの数字が、完全子会社化の決め手となったのは明白だ。

 「アスビー」を主力とする同社の苦境は、単なるコロナ禍の影響だけではない。関係者が指摘するのは、絶対王者・ABCマートとの「地力の差」だ。
 トレンドを素早く捉え、ナイキやアディダスといった有力ブランドの限定モデルを確保する調達力で勝るABCマートに対し、ジーフットはイオンモールという「城内」に安住した面が否めない。PB(プライベートブランド)も、価格競争に巻き込まれ、若年層の支持を広げられなかった。

 

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 ■「専門店モデル」の限界
 今回の決算で浮き彫りになったのは、イオンモールとともに成長してきた「モール依存型モデル」の限界だ。集客をモールに頼る構造は、賃料コストが重くのしかかる。消費者がEC(ネット通販)へと流れる中、広い店舗面積に在庫を抱える靴専門店のビジネスモデルは、かつての効率性を失っている。

 イオンは今後、6月23日付で同社を上場廃止とし、経営再建を本格化させる。市場では「不採算店舗の整理はもちろん、衣料品や雑貨と一体化した直営売り場への統合が進む」(アナリスト)との見方が強い。単独の「靴屋」としてではなく、イオンの生活提案の一部として再定義できるか。

 

■問われる「親会社の責任」
今回の再編はイオンモール内のテナント構成(リーシング)に大きな影響を与える一石となるだろう。
 
イオンにとって、連結子会社の不振はグループ全体の資本効率を低下させる足かせだ。完全子会社化という「身内」への取り込みは、市場の厳しい監視から遠ざける一方で、失敗が許されない「背水の陣」を意味している。流通大手の再生へ向けた手腕が、今まさに試されている。

[ 2026年4月 9日 ]
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