半導体メモリー大手のキオクシアホールディングス株が急伸し、時価総額が一時45兆円を超えた。トヨタ自動車を上回り、国内上場企業でソフトバンクグループに次ぐ2位となる場面があった。生成AI(人工知能)向けのデータセンター投資が世界的に拡大するなか、AI・半導体関連銘柄への資金流入が一段と強まっている。
買い材料となったのは、同社が前日に示した半導体メモリーなどの設備投資計画だ。AIの普及に伴い、データ処理や保存に使うNAND型フラッシュメモリー、SSDの需要が拡大するとの見方が広がった。市場では、GPUなど演算半導体だけでなく、データを蓄積・呼び出すストレージ分野にも成長期待が波及している。
東京株式市場では取引開始直後から半導体関連株を中心に買いが先行した。日経平均株価は一時1200円超上昇し、今月1日につけた取引時間中の最高値を更新。6万7000円台で推移した。前日の米ニューヨーク市場で、AI投資の拡大期待を背景に主要株価指数が最高値を更新した流れを引き継いだ。
もっとも、足元の株高には過熱感もある。半導体メモリーは需給変動が大きく、需要拡大局面では価格上昇が利益を押し上げる一方、増産投資が重なれば供給過剰に転じるリスクも残る。キオクシアの急伸は、AI関連需要の持続性を市場が強く織り込んだ結果といえる。
トヨタを一時上回ったことは、日本株市場の評価軸の変化を映す。自動車を中心とする製造業から、AIインフラを支える半導体・データ関連企業へと投資資金が移りつつある。企業の実力を売上規模だけで測る時代から、将来の成長市場でどの位置を占めるかが株価を左右する局面に入っている。