アイコン 5万8000円は通過点か過熱か 日経平均高騰の三つの構造


株価

日経平均株価がついに5万8000円の大台を突破し、史上最高値を更新した。バブル期の高値を大きく塗り替える展開となり、市場関係者の間では「通過点か、それとも過熱の入り口か」との議論が広がっている。

今回の上昇局面を読み解くには、①AI関連株への資金集中、②円安進行、③政治・政策要因――の三層構造で見る必要がある。

まず最大の原動力は、米半導体大手の決算期待を軸としたAI関連銘柄への資金流入だ。とりわけ、米国のNVIDIAの決算発表を前に、「AI需要は減速しない」との見方が市場に浸透。これに呼応する形で、日本市場ではアドバンテストや東京エレクトロンといった半導体製造装置株が買われ、指数を強力に押し上げた。

さらに注目すべきは、「つるはし銘柄」への波及だ。AIそのものではなく、データセンター建設や電力インフラ、光通信部材などを手掛ける企業にも資金が向かっている。代表例がフジクラであり、AIブームが単なるテーマ物色ではなく、実需を伴う設備投資サイクルへと移行している兆しが見える。

 

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次に為替だ。1ドル=155〜156円台という円安水準は、多くの輸出企業の想定レートを上回る。自動車や電子部品など主力セクターでは、年度末に向けた業績上振れ期待が高まり、海外投資家から見た割安感も強まっている。ドル建てで見れば、日本株の上昇率は米ハイテク株ほど過熱していないとの評価もあり、海外マネーの継続流入が5万8000円突破を後押しした構図だ。

政治面では、米国の通商政策や大統領発言への警戒と期待が交錯している。関税政策を巡る法的判断や外交交渉の進展が報じられ、「最悪期は回避できる」との安心感が投資家心理を下支えしている。また国内では、積極財政や成長戦略を志向する経済政策への思惑が一部で意識され、いわゆる「高市トレード」と称される物色も根強い。

では、6万円は射程圏内なのか。市場ではPER18倍前後を基準にすれば理論上は到達可能との試算も出ている。ただし、リスク要因は軽視できない。円安が加速すれば日銀の追加利上げ観測が再燃し、株式市場のバリュエーションを圧縮しかねない。また、建設・物流業界で顕在化している「2024年問題」に象徴される人手不足とコスト増は、実体経済側の収益圧迫要因だ。

足元の上昇は、AIという構造テーマと円安というマクロ要因が重なった結果であり、単なる投機的バブルとは断定できない。一方で、指数主導型の上昇が続く場合、調整局面の振れ幅も大きくなる。5万8000円は、強気相場の通過点であると同時に、市場の持続力を試す分水嶺ともいえる。

この史上最高値は、日本企業が強くなった証という側面もあるが、それ以上に日本が世界から見て『最も買い叩きやすいバーゲン会場』になった証でもある。

[ 2026年2月25日 ]
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