福井県越前市で豆腐や油揚げ、惣菜類を製造してきた(株)森茂が、福井地裁から破産手続きの開始決定を受けたことが分かった。
同社は1974年に「ふじや豆腐店」として創業した食品製造会社。豆腐・油揚げを原点に惣菜や弁当などへ商品分野を広げ、福井県内の生協、Aコープ、学校給食、飲食店などにも商品を供給していた。
森茂が破産手続き開始決定
(株)森茂は、2026年9月8日に福井地裁から破産手続きの開始決定を受けた。
破産管財人には石倉大志郎弁護士が選任されている。破産債権の届出期間は2026年10月8日までで、財産状況報告集会などの期日は同年12月22日午前11時30分となっている。
事件番号は令和8年(フ)第266号。
売上高は2億1000万円から1億1900万円へ縮小
同社は1974年に創業。豆腐のほか、越前地方で「ふかしあげ」と呼ばれる、時間をかけて油で揚げる製法を用いた油揚げやがんもどきなどを製造・販売していた。
手作りや無添加をうたった惣菜、仕出し弁当なども扱い、地域の生協や学校給食、飲食店、小売店などに販路を築いていた。
2010年には年間売上高約2億1000万円を計上していた。
しかし、その後は売上が縮小。2025年の売上高は1億1900万円にとどまり、2010年と比較すると約9100万円、率にして4割超減少した。
2025年は赤字を計上するなど収益力も低下していた。
大豆など原材料高騰、値下げ要請で採算悪化
業績を圧迫した要因の一つが、大豆など原材料価格の上昇だった。
食品製造に必要な原材料価格が上昇する一方で、同業者との競争も激化。さらに取引先からの値下げ要請もあり、十分な価格転嫁を進めることが難しく、採算が悪化したという。
売上減少と収益力の低下に伴い、事業資金を借入金に依存する状況が強まった。赤字が続くなかで新たな資金調達も困難となり、事業継続を断念したとみられる。
数字で見る森茂の破産
約半世紀にわたり越前市で豆腐や油揚げ、惣菜を製造してきた森茂だったが、原材料高や価格競争など食品製造を取り巻く厳しい経営環境のなかで収益確保が難しくなり、破産手続きに移行することとなった。