シノケン、荒波に打つ手なしか
連結、百万円 | 06/3 | 07/3 | 08/3 | 09/3予 |
売上高 | 18,563 | 19,615 | 29,779 | 15,100 |
営業利益 | 1,320 | 1,240 | 1,131 | -1,820 |
経常利益 | 1,017 | 1,068 | 910 | -2,190 |
当期利益 | -632 | 733 | 446 | -4,140 |
総資産 | 21,203 | 25,690 | 26,791 | |
自己資本 | 3,459 | 4,893 | 5,240 | |
資本金 | 1,567 | 1,922 | 1,922 | |
有利子負債 | 14,748 | 18,007 | 16,347 | |
自己資本比率 | 16.30% | 19.00% | 19.60% |
投資用のアパートと投資用のマンション販売を行う同社は、購入予定者に対する銀行融資が完全にSTOPしているため、物は完成しても引き取られず、窮地に陥っている。
上記09/3期決算について同社は、
① 人向けアパート販売事業は、今期計画は販売棟数230 棟、売上高125 億円(内訳:
第3 四半期まで79 棟→売上高39 億円、第4 四半期151 棟→売上高86 億円)を予定していた。しかし、年末から年明けにかけて予想を遥かに超える事業環境の急激な悪化により、例年需要期となる第4 四半期に直撃するかたちとなり、今期の販売棟数は108 棟→売上高は約60 億円(内訳:第3 四半期まで60 棟、売上高約33 億円、第4 四半期48 棟、売上高約27 億円)に留まった。
※ 230棟125億円→108棟60億円
② マンション販売事業は、今期販売棟数14 棟、売上高128 億円を計画、個人向けアパ
ート販売事業同様に例年第4 四半期に売上が集中することから、今期も第4 四半期での販売棟数10 棟→売上高90 億円を見込んでいた。
しかし、リーマンショック後の昨年後半から特に顕著になった不動産価格の値下がりにより、価格面での交渉が難航、それに加え金融機関の貸し渋りの影響を受け、買手側の資金手当てが出来ず、キャンセルが相次いだ結果、第4 四半期に販売を予定していた仙台花京院プロジェクト、台東区根岸プロジェクト、文京区湯島Ⅱプロジェクト、板橋区坂下プロジェクト、荒川区西日暮里プロジェクト、世田谷区桜丘プロジェクト、中央区勝どきプロジェクトがいずれも来期にずれ込んだため、今期の販売棟数は7棟→売上高は約42 億円(内訳:第3 四半期まで5 棟、売上高約35 億円、第4 四半期2 棟、売上高約7 億円)に留まった。
※ 14棟128億円→7棟42億円
③ 特損や評価損関係は、
棚卸資産評価損10 億円、不動産ファンド事業からの撤退費用12 億円、ホテル事業からの撤退費用7億円の計29億円計上した。
以上の結果、
営業損失18億20百万円+特損評価損29億円-違約金ほか5億80百万円=▲44億40百万円
これに対して同社は次のとおり経費を削減する計画である。
①人件費の削減実施
○代表取締役社長 月額報酬の50%
○取締役 月額報酬の20%
○監査役 月額報酬の10%
※ グループ会社の役員報酬及び管理職の賃金については、10%を上限として減額し、一般社員の賃金については 5%を上限として減額する。
② 人員の削減
売上高に対する適正規模に人員を縮小する、退職者が出た部門の補充を外部より行わ
ず、グループ内の他部門からの再配置等により人員適正化を実施する。
③支店等の統廃合
札幌支店、首都圏東営業所の閉鎖、仙台支店、名古屋支店の縮小移転、および東京支店の事務所面積の圧縮して固定経費の削減をはかる。
以上の結果
固定経費削減3 億5 千万円、支店の統廃合による削減額を約5 千万円、 計4億円の経費を削減する、と会社側は説明している。
※景気回復から事業が拡大したため、不動産ミニバブル崩壊による反動が大きかった。姉歯事件後踊り場を設ける必要があったが、取り返そうと必死に拡大路線を進んだことが裏目か。
[ 2009年5月15日 ]