アイコン 破綻あい次ぐ、からし明太子業界の動向⑤

からし明太子業界の見通し

 業界の最大のネックは原料高であろう。原因はスケトウダラの魚肉の価値が練物として利用されるくらいで低く、消費量の拡大に対して漁獲量が少ないことにもある。

そのため原料高が製品価格を押し上げ、販売不況になると経営に対する影響度が大きくなる。円高により輸入価格が低下しても大手にはメリットあっても中小の弱小メーカーにはそれほどメリットはなく、不況による販売不振から経営は苦しくなるばかりである。
当業界は、材料のスケトウダラが生き物であり、不漁ともなると価格が高騰するという悪循環からは逃れられず、材料高は今後も続く。からし明太子のテレビ放映における露出度も少なくなりブームも過ぎ去っている。

ここ2年消費不況が追い討ちをかけており、こうした現状はしばらく続くものと見られる。老舗はこれまで幾度となく景気の波を潜り抜けてきたが、生活できるまでのブランド化をはかれていない殆どのメーカーは、厳しい対応を迫られることになる。製造卸や業務用卸で生産拡大させた企業も、特に業務用はブームに乗った面もあり安定成長するとは思えず、共に消費者の可処分所得の減少や不景気による購買意欲の減退の影響を直接受けることになる。
既に当業界は不景気により市場が縮小している、業者

間の循環取引の噂も絶えず、更にリーマンショック後販売は急激に落ち込んでもいる。
銀行は、こうした当業界を冷静に見ており、赤字会社には融資しない方針を徹底させている。借入依存度の高い新興勢力の整理淘汰の波は続くものと見られ、当業界が落ち着くには、他の業界とも一緒で景気回復を待たなければならない。

 続く

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[ 2009年6月12日 ]
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