アイコン 破綻あい次ぐ、からし明太子業界の動向③

新興勢力の台頭

 からし明太子の創業者が製造方法を開示したため、明太子業者は数多く存在する。中でも料亭の稚雅栄の「辛子めんたいこ」は、おいしさが評判になり多くの顧客に定着。

岩田屋百貨店に店を構え成功したのが椒房庵。久山(福岡市外)の醤油屋さんが辛子めんたいこ業界に後発ながら参入して岩田屋百貨店と久山本社だけで販売、「おいしい」と口コミで評判になり、今では東京での知名度も高い。両社製品の特徴は、北海道産の生の明太子を使用している点にある。そのため冷凍物より仕入コストが高いが、冷凍物に比べ味が良く、商品価格が高くても一定の支持を集めている。このように明太子の味は各社各様で微妙に異なり、顧客も「○○の明太子が美味しい」と必ず自分好みの明太子屋を持っているほどである。(小生が一番おいしいと推奨するからし明太子は、グリーンコープ生協の無着色・無添加の明太子である。実に美味しい)

 福岡市の乾物屋から始まった「辛子めんたいこ」は、現在では北九州・山口はじめ産地の北海道・東北にも多く存在している。販売方法もこれまでの店頭販売からネット・通信販売までに至るまで手掛け各社が競っている。そのため福岡県のからし明太子の生産量は平成10年頃の2万トンをピークに下降。全国各地に明太子屋が出現したのと、かねふくなどは工場を大消費地である東京近郊に設けるなど、他県での生産量が増えていることに起因している。
続く
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[ 2009年6月11日 ]
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