アイコン iPS細胞から腸を製造・世界初/奈良県立医科大学・中島教授

あらゆる組織や臓器になることができるとされるiPS細胞から腸を作り出すことに、奈良県立医科大学のグループがマウスを使った実験で成功した。iPS細胞から立体的な臓器ができたのは初めてで、再生医療への応用が期待される。

奈良県立医科大学の中島祥介教授の研究グループは、マウスのiPS細胞をシャーレのふたの裏側に水滴のように付着させ、重力に逆らって6日間ほど培養すると、管の形をした立体的な組織に変化することを突き止めた。管状の組織は、直径2ミリ、長さ5ミリほどの大きさで、管の中に入ったものを移動させるために収縮する、腸に特有の「ぜん動運動」をしていることが確認されている。さらに管の壁を詳しく調べたところ、粘膜や筋肉が何層にも重なり、神経も通っているなど、腸と同じ構造になっているという。研究グループによると、iPS細胞から立体的な構造を持つ臓器を作り出すことに世界で初めて成功した。
中島教授は「小腸は拒絶反応が強い臓器で移植が非常に難しいが、将来的に、この技術をヒトのiPS細胞に応用して患者本人の小腸を作り出すことができれば、拒絶反応のない移植の実現につながる」と話している。
iPS細胞は、京都大学の山中教授により世界で始めて開発された。
 

IPS
[ 2010年3月11日 ]
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