当物件は、民間企業による福岡天神南地区の再開発事業でありましたが、計画から竣工まで長期間を擁し、その間時代はサブプライムローン問題に翻弄され、リーマン破綻で不動産業界は奈落の底に突き落とされたことはご承知の通りでございます。

当案件も貴社が受注された段階では、当天神プレイス事業計画に魅了され、工事を受注されたはずであります。しかしながら竣工したものの購入予定の国内ファンドが、購入金の支払不能で購入契約をキャンセルしたため、地元企業は建設代金を貴社にお支払することもできず、当事業運営も大変厳しいものとなっております。また、貴社が建設代金として当物件に担保設定している巨額の設定は、現在の商業施設へのテナント入居具合やホテル事業・賃貸事業では、利息にもならないものかと心配しております。
この間貴社も購入先を見付けんがためにいろいろご努力をされたと聞いております。
時勢がら、なかなか購入するところが見つからないのも現実であります。
貴社にありましても、担保価値と実勢価格とでは既に乖離問題もあり、差額についていずれ引当金を積まざるを得ない状況下と思われます。

つきましては、当物件を購入予定の地場有力企業があり、地元の地域振興のためにのみ購入を打診しております。貴社へも打診されているはずでありますが、当有力企業の提示価格が貴社の担保設定額より25%ほど開きがあるようです。難しいとは存じ上げますが、ぜひこの申し出に対し、貴社に折り合いをつけて頂き、担保設定や賃借権の質権設定の解除をお願いする次第であります。
貴社も当不況により業績が厳しいことは重々承知いたしております。しかし、当案件をいつまでも中途半端な状態にしていてもラチがあかないことも事実であります。

山川社長さまのご英断を心からお待ち申し上げます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　敬具。

市民K