メールで記事を紹介 印刷する 一覧へ
　穴吹工務店の破綻（はたん）に絡み、細松英正香川県教育長は３日、１１月定例県議会に上程した高松商校舎棟改築工事の契約を同社と締結する議案について、近く撤回する方針を示した。「履行を確約できない状況にある」との同社の報告を踏まえ、判断した。既に結んでいる仮契約を解除するかどうかは未定だが、再入札になれば２０１１年１月末を予定している完成時期が遅れる可能性もある。

　県議会では、上程した議案の撤回は１９８２年以来の異例の措置。同日の文教厚生委員会（水本勝規委員長）で細松教育長が撤回方針を説明し、「早急な対応により影響を最小限にとどめたい」と述べた。

　県教委は１日に同社から履行を確約できないとの状況報告を受け、「先行きが不透明な中、県議会に審議を求めるのは適当でない」として、議案撤回の方針を固めた。近く県議会に許可を求め、本会議で採決される見通し。仮契約には「更生手続き開始を申し立てた場合は解除できる」との付帯条項があるが、解除するかどうかについては今後検討を急ぐという。

　県教委は９月の入札後、１０月中旬に同社と５億４６００万円で仮契約を締結。当初は１１月定例県議会での議案可決を受け、今月１５日の着工を見込んでいた。改築工事は主に普通教室が入る校舎１棟が対象で、既に生徒は仮設教室に移っている。
穴吹工務店破綻で議案撤回へ／高松商高改築工事
2009/12/04 09:41四国新聞より