アイコン 大林組/ドバイショックが現実に・今3月期上場来の大赤字予想

同社は、2月10日発表していた今3月期75億円の黒字予想から、一転▲540億円の大赤字になると修正発表した。

同社は修正した売上高の減少について
売上高は、前回予想(2月10日発表)から約1,500億円減少する見込み。その内訳は次のとおり。
①ドバイ都市交通システム建設工事の請負金を見直したこと等に伴い、当期に計上する土木工事の売上高は約750億円減少した。
②国内建築工事で、リニューアル工事の受注が減少したことや、進行基準適用工事の進捗率が想定を下回ったこと等から、建築工事で約750億円減少した。
 
営業利益、経常利益及び当期純利益の減少について
他社と共同(JV比率大林50%、鹿島・重工・商事)で、平成17年7月にアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ道路交通局から総延長約70kmの都市交通システムの建設工事部分を約2,280億円で受注した。ところが、請負契約締結後に、設計責任を含む契約上の責任範囲等で発注者と見解の相違が明らかとなり、また、駅舎の内外装その他の工事で設計変更及び追加工事等が発生し、これらの工事代金の確定について交渉を継続してきた。その結果が見えてきたことにより、損失処理したものである。
メトロ工事では原価が、建設ラッシュで労賃上昇及び資材高騰により予定原価の3倍かかったとしている。

連結/百万円
売上高
営業利益
経常利益
当期利益
10年3月期前回予想
1,510,000
20,500
22,500
7,500
10年3月期今回予想
1,350,000
-66,000
-64,000
-54,000

ドバイメトロについては、昨年12月8日JC-NETで既報のとおり、当初3,000億円でスタート、工事距離の延長や設計変更で7,000億円規模に総事業費が膨らんだ。しかしドバイショック直後、ドバイ政府道路輸送局総裁がメトロについて「路線の延伸や駅の増設、内装デザインの変更などが原因」であるとして、ドバイ政府は全額を支払う意思がないことを既に述べていた。
それを裏付ける形で今回大林組のドバイでの不良債権が表面化したものである。ドバイショック後の12月12日の日経新聞には「日本企業は、ドバイに6600億円の未回収債権がある」と報じていた。
なお、ドバイメトロは、鉄道システムを三菱商事・三菱重工などのJVが受注土木工事は大林・鹿島等のJVが受注していた。鹿島どうする?
ドバイで最大の仕事をしている大成建設の決算が今期どうなるのか? またメトロ計画で関係している鹿島・三菱重工の決算がどうなるか・・・・。
また、大林組もこれでドバイ処理がすべて終わったわけではない。
このままでは、日本企業はメトロ計画だけで3,000億円も4,000億円もハゲタカ「ドバイ」に持っていかれてしまう恐れがある。
 大成も大林も日本のバブルが全く教訓化されていない。
龍馬曰く、アラブでは最低原油が取れる国と取り引きせにゃあかんぜよ。
[ 2010年3月25日 ]
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