ローソンエンタメディアの破綻の可能性を追う
同社の代表取締役専務が・・師軍団に利用されたローソンエンタメディア巨額資金流出事件は127億円~150億円の損害が生じると同社はしている。前期で見れば自己資本が64億32百万円しかなく、倍返しの債務超過に陥ることになる。ローソンが既に立替払いをしているようであるが、実態の解明はこれからである。
MAX150億円の損害が出た場合、前期決算で試算した場合、85億68百万円の債務超過に陥る。債務超過を回避するには、100億円前後の増資をするしかない。過去3年経常利益が7~8億円しか出ておらず、それも架空利益の疑いもあり、増資を引き受けるローソンに許されるのか、子会社管理責任問題もありグレーとしかいいようがない。
破綻させる可能性は、元々ローソンチケットという社名のとおり、興業チケットをローソン店でチケット販売している会社であり、破綻させた場合、ローソン本体の営業に与える影響も大きい。破綻させローソンの別会社に営業権を売却すれば、事業は継続することから支障はないが・・・。
同社の負債に金融負債はなく、一般負債だけである。
非連結/百万円 | 2007年2月期 | 2008年2月期 | 2009年2月期 | 2010年2月期予 |
売上高 | 6,533 | 6,960 | 7,620 | 9,857 |
営業利益 | 836 | 635 | 791 | 1,150 |
経常利益 | 870 | 697 | 840 | 1,158 |
当期利益 | 506 | 422 | 550 | |
総資産 | 14,633 | 14,847 | 15,772 | 不明な部分多 |
自己資本 | 5,866 | 6,098 | 6,432 | 1月発表分 |
資本金 | 2,892 | 2,892 | 2,892 |
決算/百万円 | 平17/2 | 平18/2 | 平19/2 | 平20/2 | 平21/2 |
チケット取扱高 | 51,966 | 53,027 | 54,600 | 60,212 | 72,993 |
同社の営業未払金は次のとおりである。(直近3年分)
平21/2期 相手先 | 金額(千円) | |
阪神電気鉄道㈱ | 530,437 | |
㈱ジェーシービー | 421,057 | |
ラリージャパン大会組織委員会 | 328,331 | |
㈱キョードー大阪 | 297,585 | |
㈲グラシアス | 272,607 | |
その他 | 5,616,464 | |
合計 | 7,466,483 | |
平20/2期 相手先 | 金額(千円) | |
㈱東京ドーム | 465,289 | |
阪神電気鉄道㈱ | 351,715 | |
㈱ディスクガレージ | 322,982 | |
㈱ジェーシービー | 272,296 | |
㈱キョードー大阪 | 165,594 | |
その他 | 5,147,038 | |
合計 | 6,724,917 |
平19/2期 相手先 | 金額(千円) |
㈱LDH | 432,568 |
㈱キョードーマネージメントシステムズ | 409,987 |
㈱ジェーシービー | 374,540 |
阪神電気鉄道㈱ | 323,052 |
㈲サンデーフォークプロモーション | 306,065 |
その他 | 5,675,642 |
合計 | 7,521,857 |
ローソンエンタの買掛金である営業未払金は、キョードーと阪神は常に大きな取引であるようだが、営業未払金の主たる相手先は、その他大勢の興業会社であることがわかる。そうした興業会社がもしも焦げ付いた場合、ローソン系の会社が引き続きチケット販売をしようとしても、他社チケット会社に依頼するものと思われ、商売そのものが成立しない恐れが高い。
結果ローソンでチケットを販売する限り、破綻させることはできない。
そうしたことから、ローソンがチケット販売を続けるには、ローソンエンタの債務超過解消のための増資100億円前後を引き受けるしか道はない。
救済方法はいろいろあるが、前提となるのが目先の資金繰り問題の解消と債務超過の解消である。ローソンもローソンエンタを増資させるためには、大義名分も必要となることから、ローソン外も役員派遣も含めた割当増資となろう。ローソンの親会社は三菱商事である。
今回の150億円にも及ぶ不正を、第3者の監査法人として見破ることができなかったのは、監査法人トーマツ。
天下のローソン、無借金子会社のローソンエンタであり、油断も隙もあったのだろう。当然親会社ローソンの子会社管理担当役員や子会社管理を監査する監査役も同じであった。ローソンエンタの監査役は論外である。
追、
<第3者破産を申立てられたプレジ-ルの親会社の決算>
(単位:百万円) | ||
ARMOR HOLDINGS | 平成19 年12 月期 | 平成20 年12 月期 |
売上高 | 0 | 27500 |
営業利益 | -1,326 | -85,100 |
経常利益 | -1,326 | -67,796 |
当期純利益- | -1,338 | -67,976 |
純資産 | -338 | 29,684 |
総資産 | 245,590 | 3,221,225 |
㈱ARMOR HOLDINGS は平成19 年10 月15 日設立 |
総資産の中身は何だろうか。これが21/12期もっと膨れ上がっていると思われる。
リミックスポイントは、㈱ARMOR HOLDINGSについて、次のとおり紹介している。
①㈱ARMOR HOLDINGS( 代表取締役 岩本陽二) は、食品、美容、F1 関連分野等で事業を展開する子会社13 社( 以下「ARMORHOLDINGS グループ」という。) のホールディングカンパニーとして、経営戦略の策定並びに経営管理全般を中心に運営がされており、インキュベーション事業において実績を残し、業績を伸ばしております。
②当社経営陣の知人である信頼の知人である信頼できる方にご紹介いただき、食品、美容、F1 関連分野等で事業を展開する子会社13 社のホールディングカンパニーとして、経営戦略の策定並びに経営管理全般を運営する、インキュベーション事業に実績を持つ会社であります。
今回の第三者割当増資によって、当社はARMORHOLDINGS グループ各社に対し情報通信サービス事業を提供する位置付けで、グループ各社のシステム開発や運営受託、サービス企画やサービス運営等の事業・業務提携も見込めるものであり、中長期的に当社の企業価値を向上させることが可能であると判断しております。また代表取締役である岩本陽二氏及び取締役の田中琢氏は、多分野におけるベンチャー企業の経営のご経歴を持ち、前述の当社を取り巻く厳しい事業環境及び当社の財務の現状を十分ご理解いただき・・・・
[ 2010年3月19日 ]
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/