ゼネコンランキング/株価W.5位 若築建設②
ゼネコンは、何れも売上高減少に加え、粗利益率の低下からくる固定費圧力に苛まれている。そのため、営業利益率が悪化、よほど財務体質がよくない限り、営業外損や特損に対応できず赤字を露呈するゼネコンが多い。若築建設でも同じことがいえよう。
連結/百万円 | 05/3期 | 06/3期 | 07/3期 | 08/3期 | 09/3期 | 10/3期予 |
売上高 | 84,461 | 96,863 | 81,571 | 91,138 | 82,416 | 73,000 |
販管費 | 6,798 | 6,160 | 5,118 | |||
販管費率 | 計上基準変更 | 7.46% | 7.47% | 7.01% | ||
営業利益 | 1,165 | 2,029 | -697 | 953 | 92 | 1,200 |
営業利益率 | 1.38% | 2.09% | 1.05% | 0.11% | 1.64% | |
経常利益 | 4,603 | 3,344 | -131 | 809 | -567 | 1,300 |
当期純利益 | 4,325 | 2,326 | -10,347 | 607 | -7,881 | 1,000 |
※支店の販管費を07/3期まで原価に入れ、08/3期より販管費に変更。 |
<経費削減努力が、売上高減少で結ばず>
10/3期の販管費10億円は1.37%に該当するが、同期は09/3期より約10億円も販管費を減らしたが、売上高の減少により、0.46%しか販管費率は落ちていない。
因みにゼネコン優等生大林組の販管費率は4.92%(08/3期・09/3期共)である。若築建設の場合、営業利益率を上げるためには、売上高を上げるか、販管費を下げるか、それとも原価の見直し(粗利率を上げる)を行うかである。原価コストはある程度限界に近いと思われるが・・・・。
<同社の施工高構成>
同社は、古くから北九州市若松港を取り仕切るマリコン、勢力拡大して今では西日本から関東・東南アジアへと進出しているが、マリコン土木中心の会社である。
同社の施工高構成は次の通り。
施工高 | 05/3期 | 05/3期比 | 09/3期 | 09/3期比 |
海上土木 | 28,424 | 36.90% | 37,409 | 49.30% |
陸上土木 | 22,649 | 29.40% | 15,793 | 20.80% |
建築工事 | 25,987 | 33.70% | 22,736 | 29.90% |
計 | 77,060 | 75,939 |
<09/3期の受注残>
手持工事高 (平成21年3月31日現在) | ||||
区分/百万円 | 官公庁 | 民間 | 計 | 比 |
海上土木工事 | 22,316 | 2,640 | 24,956 | 47.3% |
陸上土木工事 | 16,457 | 5,012 | 21,470 | 40.7% |
建築工事 | 1,328 | 4,998 | 6,327 | 12.0% |
計 | 40,102 | 12,651 | 52,753 | |
比 | 76.0% | 24.0% |
09/3期における国交省からの受注は246億61百万円となっており、官庁受注残は401億02百万円、民間工事受注残は126億51百万円の合計受注残52億53百万円となっている。
<09/3期の手持工事(受注残)>のうち請負金額14億円以上の主なものは次のとおり。
国土交通省 | 東京国際空港D滑走路建設外工事 | 平成22年8月予定 |
財団法人愛知臨海環境整備センター | 衣浦港3号地廃棄物最終処分場整備事業 護岸工事(1) | 平成22年3月予定 |
電源開発株式会社 | 響灘3号埋立地建設工事 土木工事(揚灰岸壁他工区) | 平成22年9月予定 |
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構 | 北陸新幹線、高岡江尻高架橋 | 平成23年3月予定 |
国土交通省 | 圏央道笠森トンネルその3工事 | 平成22年3月予定 |
[ 2010年3月30日 ]
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