アイコン 福岡空港の大赤字の謎・14万回・1800万人利用

福岡空港福岡空港は、蓆田空港(日本軍)⇒板付空港(米軍共用)⇒福岡空港(現在)と名称が変遷している。日本軍が空軍基地を作ったとき(終戦直前の昭和19年)、戦争末期で急遽、私有地を借り上げて作ったことから今日までの問題が生じている。福岡空港は資料が古いが平成17年度の歳入が125億円、歳出が221億円。毎期赤字が96億円(20年間で1920億円の赤字)も発生していることになる。

歳出の筆頭が、空港環境対策費92億円、その次が土地賃借料84億円が主たる歳出である。環境対策費とは何ぞや、えらく高い防音対策工事費かと思いきやグリーンベルト地帯を線引きして、不動産購入を続けている費用が殆どである。売却話案件があれば、次から次に購入している。それも年間予算を使い果たすまで買い続ける。購入した土地は殆どフェンスで仕切り、放ったらかし状態、逆に草取りなど経費が膨らむばかり、誰が線引きしたのか知らないが、何でこんなところをと思う場所まで購入している。壊れそうな建物もボロボロな会社が、潰れる前にちゃんと売却して移転保障費をたんまり貰い、土地代も最高値で買ってもらい、銀行への借金も払い大赤字会社が一転優良企業に変身している。

グリーンベルト地帯も北側の空港から3号線までの幅300~500メートルなら分かるが、そんなところはとっくの昔に買収できるところは買収しており、3号線西側(箱松地区)などを買い続けている。予算があるからである。時代も飛行機の性能も変わっているが、大昔計画が承認されている以上、予算も付くし購入もし続ける。
空港敷地の賃借料も84億円ときた、10年間で840億円、バブルが過ぎてから20年経とうとしているが、それから1,680億円の賃料支払となる(バブル当時から当該地価はほとんど動いていない)。グリーンベルト地帯の不動産購入も20年間で1,840億円も費やしていることになる。いつまでそんなことを続けるのであろう。
空港敷地は道路と同じであり、収容するのが当然である。購入ありきのグリーンベルト地帯も見直すべきであり、公務員特有の予算消化主義の現行予算を1/10に削るとかしない限り対策はない。 

以前グリーンベルト地帯の買収地を有効活用するとして、西日本銀行が経営していた壽屋に大型店舗を作らせた。その挙句、壽屋は倒産(原因は西銀派遣の社長が代々粉飾、引き金は同店舗の開設)。現在当建物はナフコが外敵(中央HC)の進出を阻むためイヤイヤながら入居した。当時、空港事務所から西銀が壽屋出店を政治的に頼まれ壽屋に出店させたとされる。そんな人が多く集まる商業施設を誘致する場所だったら、購入する必要があるのか疑いたくもなる。

福岡空港の年間発着回数14万回(国内線12.6万回、国際線1.4万回)は、羽田、成田に次ぎ国内3番目。滑走路は2800m1本しかなく、1本当たり離着陸回数が日本で最も多い空港となっている。午前7時より午後10時まで限定。
新しい空港を作る計画。国交省と連動した福岡県は新宮沖案(福岡市外東部、1兆円以上)、福岡市の雁ノ巣沖案(山崎前市長、1兆円以内)となっている。福岡市の吉田(現)市長は現行滑走路に2500mの増設案(2,000億円)を提案し、麻生福岡県知事と異なる意見を出している。
移設や滑走路増設にしろ、今も将来も国には銭がなく、福岡空港を移設する必要性に迫られているわけでもなく、もう既に乗降客数も頭打ちとなっており、新幹線も九州新幹線が来年全面開通し空港利用客も減り、まったくいじくる必要性はない。
大型工事を常に何かやっていなければ落ち着かない麻生知事や財界・ゼネコンが動いているだけである(計画がなくなると一番困るのは、リストラを恐れる国交省空港局であるとされる)。
しかも24H運航が可能で暇な北九州空港と最初からガラガラな佐賀空港との連携が現実的解決策と思われるが、2県3市で話し合われたことはない。
福岡空港は土地を収用し借り上げを止めるべし。箱松側の新たなる購入も止めるべし。

[ 2010年4月 5日 ]
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