アイコン 佐賀大学と日本ユニシス/病院経営の見える化を実現するソフトサービスを提供

日本ユニシスと佐賀大学は、「医療の質」と「効率の質」の両立を目指し、国内初、新しいDPC管理会計システムをクラウド型サービスで提供開始した。これにより病院経営の見える化を実現させることができる。
(DPC:診断群分類・・・診断と治療行為を組み合わせた分類。従来の出来高払い方式とは別の算定方式である「包括評価方式」の基準となる)
日本ユニシスと国立大学法人佐賀大学は、高水準な病院経営を維持するための新しい管理会計の仕組みであるDPC管理会計システムについて共同研究、クラウド型サービスとして22日から提供開始。本システムは、国内初のクラウド型ICTサービス。

平成15年から、医療の行政改革により、急性期病院では、入院医療費の請求方式を従来の「出来高払い方式」から、「診断群分類(DPC)包括評価に基づいた定額支払い方式」へ急速に移行している。これに伴い、病院には原価管理に基づく健全な病院運営が求められており、安定した経営基盤への転換が急務である。
このような背景から、佐賀大学は「質の高い医療を効率的に提供する」ことを目的に、本システムを佐賀大学医学部附属病院(病院長:宮崎耕治氏)にて独自に開発。本システムは、診療科ごとのコスト配賦基準に説明が難しい従来の配賦方式とは異なり、各診療科を一つの独立した専門病院に見立てる『テナント方式』と、部門間のサービスをコストとして支払う『院内取引方式』を採用、診療科別の損益管理・原価管理を行う。これにより、診療科・中央診療部門ごとで経営状態を把握でき、経営の自主性を高めることができる。さらに、固定費比率と収入に着目し疾患別の収支モデルを分類し、医療の質と効率性を可視化することができる。また、病院内の財務・人事などの部門システムとの連携は不要のため、システム導入の時間や経費などの負担が少なく、システムをすぐに使用することが可能。
本システムは、クラウド型サービスとして提供するため、病院はシステム導入時の初期費用は不要で、月額利用料のみで利用できる。
本サービスの月額料金は、ソフトウェア(ライセンス)使用料、データセンター使用料、サーバー、運用費などを含めて、月額9万円(税別)からとなっている。

病院経営の管理ソフトは膨大な費用が生じ、それに応じたサーバーも必要であった。それも病院内のネットワーク上でしか利用できなかった。しかし、インターネット上のサーバーを利用することでDPC管理ソフトを常時稼動させることできる。コンピュータやソフトのメンテナンスコストを考えた場合、経費の節減になるとともに、新しい病院経営のDPCソフトを使用して、診療科ごとの経営管理が可能となる優れものである。

<クラウドコンピューティング>
 従来のコンピュータ利用は、ユーザー(企業、個人など)がコンピュータのハードウェア、ソフトウェア、データなどを、自分自身で保有・管理していたのに対し、クラウドコンピューティングでは「ユーザーはインターネットの向こう側からサービスを受け、サービス利用料金を払う」形になる。ユーザーが用意すべきものは最低限の接続環境(パソコンや携帯情報端末などのクライアント、その上で動くブラウザ、インターネット接続環境など)のみであり、加えてクラウドサービス利用料金を支払う。実際に処理が実行されるコンピュータおよびコンピュータ間のネットワークは、サービスを提供する企業側に設置されており、それらのコンピュータ本体およびネットワークの購入・管理運営費用や蓄積されるデータの管理の手間が大幅に軽減される。
 

[ 2010年6月23日 ]
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