アイコン 九州の銀行シリーズ②  親和銀行②/弱きものよ救われん

親和銀行が、大きく救済したのは、金子漁業、西肥自動車、西海建設、長崎と佐世保のデベロッパー(発表されていないため名は控える)等々である。(辻産業は言うことを聞かなかったことから破綻したとされている。)
金子漁業は、前回特集したことから省略するとして、西海建設の場合を振り返ってみよう。
 

西肥自動車関連会社所有のホテル(売却済)

<西海建設の例>
2008年2月破綻させると地元に与える影響が大きいとして西海建設グループは、全体で約70億円の債務免除+DESによる借入金の株式化をはかり救済された。強い地元政財界からの要望(圧力)があったとされている。それも、めぼしい資産は福岡銀行傘下になる前に、親和銀行が不良債権回収の一環として売却させ回収しており、実質資産は限りなく乏しくなっていたとされている。
西海建設(長崎市)は、港湾土木を主力に建築工事、不動産賃貸を手がける長崎県下トップクラスの地場ゼネコン。グループ12 社を擁する有力企業として知られていた。しかし不動産開発や介護事業などの多角化に伴い有利子負債が増加、単体で約50 億円、グループ全体で90 億円にまで膨らんでいった。もともと公共工事に対する依存度が高く、公共事業削減により民間工事にシフトしつつあったものの、業況ジリ貧傾向から抜け出すのは困難、債権放棄を含めた抜本的な金融支援の取り付けが絶対条件となっていた。一方メーンバンクの親和銀行は、不良債権処理と融資先企業の業績改善(企業再生)の2本柱で、経営再建を進めなくてはならない個別事情がある。まして取引先への影響を考えると、損失負担が発生する「法的整理」が選択できないとあっては、複雑な利害関係の調整に向けて金融支援に持ち込む以外に方法がない。結局、西海建設グループは4社にまで集約した上で、グループ合計で約70 億円の債務免除と一部債務の株式への出資振り替え=DES(デット・エクイティ・スワップ)の実施などを柱とする再建計画案をまとめた。金融機関が西海建設の支援を決定した背景には、ハードランディングによる「親和銀行ショック」を起こさせまいとする優しくなった福岡Gのスタンスがあったとされている。

※ ㈱西海建設
売上高:09/5期55億44百万円、経常利益:1億92百万円、自己資本3億19百万円。
 

親和銀行本店建物
[ 2010年7月14日 ]
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