アイコン 九州の銀行シリーズ③  親和銀行③/融資細る漁業関係 社会的責任

ニュー長崎<長崎県の漁業と金融機関>
 長崎県は、水産関係の経済ウェイトが高い県である。漁業、水産加工などの会社が、長い長い海岸線の至る所にある。その中核をなすのが、腐っても金子漁業グループである。 
親和銀行の漁業関係融資残が2005年3月期245億円あった融資残は、今では30億円と9割近く激減している。これは2008年8月水産庁から産活法適用認定(適用会社:東洋漁業㈱、兼井物産㈱及び金子産業㈱)を受け、金子漁業グループへの債権を債務免除+DES化したためと見られる。今では親和銀行の漁業関係への融資残は30億円しかない。

また十八銀行も同70%減らし、2005年期245億円の融資残が、今では72億円まで減少している。
 漁業関係では、不況による魚価低迷で、破綻する養殖業者も全国では多くなっているが、長崎県経済を支える水産業界を親和銀行(福岡銀行G)は捨てているようである。
 そこに地元金融機関と産業再生のあり方が問われているともいえる。
 長崎県の漁獲高は1990年2,259億円、2007年1,033億円(2001年からほぼ同額推移)。2000年までの10年間で漁獲高は半減している。水産加工の売上高が別途。
 金子漁業が、不動産投資などに走らず、漁業に絞り、業界をリードしていたら、長崎県の水産関係の売上高はもっと上がっていたと思われる。源さんはそれほど実力があったが、不動産とテレビが好き過ぎたようで業界全体をダメにした。 

<漁業関係融資残高比較>

漁 業 /百万円
2005年3月期
2010年3月期
2010/3期      -2006/3期
減少率
親和銀行
24,552
3,037
-21,515
-87.64%
十八銀行
24,577
7,200
-17,377
-70.71%
49,129
10,237
-38,892
-79.17%

長崎の2大銀行は、地元漁業関係者に対する融資残を5年間で2割まで減少させている。
ここまで減るとは、金子漁業関係で産活法適用会社やホテルや真珠、清算させられた金子漁業本体などの不良債権処理を親和銀行を主に両行はもっぱらやっていたようである。こうした結果を踏まえ水産業界全体に対して融資基準を上げており、情けない。

 

[ 2010年7月15日 ]
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