アイコン シャープ/中間期 増収増益 太陽電池好調 液晶に陰り

シャープ同社は、世界経済の枠組みや交易条件の変化に対応し国際競争力の強化を図るため、消費者のニーズに合った商品を、消費地で生産・販売する「地産地消」を推進するとともに、グリーン社会の実現に、より積極的に貢献すべく「エコ・ポジティブカンパニー」の企業ビジョンのもと、省エネ・創エネの特長商品の創出と事業拡大を図った。
エレクトロニクス機器では、当社独自の「UV2A技術」と「4原色技術」の融合により誕生した液晶カラーテレビ「AQUOSクアトロン」や3D対応の「AQUOS クアトロン 3D」の販売を開始し、携帯電話でも、オープンOSを搭載した新商品の市場投入を推進。また、新たなユーザー体験を提供するクラウドメディア事業“GALAPAGOS”の開始を発表した。

今期の液晶テレビ「アクオス」の4~9月の販売台数は628万台(前年同期は439万台)。エコポイント制度がけん引する国内の販売が50%程度伸びているほか、海外も30%程度増加した。ただ、北米市場が減速しており、台数ベースで前年比17%程度減少。通期計画は1500万台(同1018万台)に据え置いた。液晶テレビ販売について米国は8月ぐらいから台数が前年割れだが、年末商戦での回復に期待したいとしている。
通期の液晶パネル事業の営業利益の見通しは、170億円だったが期初には430億円を想定していた。7月にフル生産能力に増強した大阪府堺市の液晶パネル工場が8~9月に減産に追い込まれるなど液晶パネル市況の悪化を織り込んだ。液晶パネルの価格下落も織り込んだ。
一方、電子部品では、「グリーンフロント 堺」の液晶パネル工場のマザーガラス投入能力を増強している。
健康・環境機器では、モバイルタイプのプラズマクラスターイオン発生機を発売し、「プラズマクラスター」技術搭載商品のラインアップをさらに拡充。情報機器では、当社のデジタル複合機に加え、独自技術により大幅な狭額縁化を実現したマルチディスプレイシステムの販売を開始し、超大型ディスプレイの市場創出と法人ビジネスの拡大に取り組んだ。
携帯電話は、4―9月の販売は531万台(前年同期は512万台)。通期の計画は従来の1370万台から1100万台(同1054万台)に下方修正している。 
太陽電池は、旺盛な需要を背景に、当社の英国生産拠点における結晶太陽電池の生産能力を年間250MWから2011年2月には500MWに倍増させることを決定した。タイでは世界最大規模の太陽光発電所の薄膜太陽電池モジュールと周辺システムの供給ならびに建設を受注した。さらに米国の大手発電開発事業者であるリカレント社の買収を発表し、太陽電池のトータル・ソリューション・カンパニーとして事業体制の構築に努めているとしている。
 

連結/百万円
売上高
営業利益
経常利益
当期利益
10年3月期第②四半期
1,288,684
1,566
-11,975
-17,721
11年3月期第②四半期
1,503,948
43,477
26,271
14,332
前期②比
116.7%
2776.3%
 
 
11年3月期通期予想
3,100,000
90,000
55,000
30,000

シャープは圧倒的に強い日本での液晶テレビであるが、亀山工場の一部を中国企業に売却して、高性能液晶テレビに特化する方向を鮮明にしている。しかし世の中が急に3Dに移行してきており、対応を誤るとパナソニックやソニーの似の前になる。録画つき液晶では既に東芝の後塵に甘んじている。北米での需給が鈍化するなか、サムスンあたりが3Dや高性能液晶テレビ分野にも対応して、シャープの領域に喰い込んでくる可能性が高い。

[ 2010年10月29日 ]
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