アイコン トステムに続きYKK AP・新日軽・不二サッシ/防火樹脂サッシ不適合 計13,420棟

国交省は3月9日、(社)カーテンウォール・防火開口部協会に対して、防火設備(アルミ樹脂複合窓)について調査するよう指示していたところ、平成23年2月28日及び3月1日、性能確認試験に不合格が判明、不適合のものについて改修等の必要な対策を講じるよう指示した。

1.概要
YKK AP、新日軽、不二サッシが販売した防火設備(アルミ樹脂複合窓)について、(社)カーテンウォール・防火開口部協会に対して調査するよう指示していたところ、性能確認試験に不合格となり、大臣認定仕様とは異なる仕様の製品が販売されていたことが判明しました。

2.内容
平成23年1月28日、(社)カーテンウォール・防火開口部協会に対して、YKK AP(株)、新日軽(株)及び不二サッシ(株)が販売した防火設備(アルミ樹脂複合窓)について調査するよう指示していたところ、平成23年2月28日及び3月1日、性能確認試験に不合格となり、以下に掲げるとおり、大臣認定仕様とは異なる仕様の製品が販売されていたことが判明しました。

 <認定の概要>
●認定取得者名:(社)カーテンウォール・防火開口部協会
●構造方法等の種類:防火設備
●構造方法等の名称:アルミニウム合金製引き窓(アルミ樹脂複合構造)
●認定年月日:平成14年2月1日
●認定番号:EB-9112

<サンプル調査対象品の概要>
●製造者名:YKK AP(株)及び新日軽(株)
●販売者名:YKK AP(株)、新日軽(株)及び不二サッシ(株)
●認定仕様との相違点:認定仕様は火災時に樹脂材が軟化、溶融してもガラスが脱落しない機構であるが、製品はガラスが脱落しない機構となっていなかった。
●販売期間:
・YKK AP(株) 平成19年10月から平成23年3月まで
・新日軽(株) 平成17年10月から平成23年3月まで
・不二サッシ(株) 平成17年10月から平成23年3月まで
●使用物件数:
・YKK AP(株) 約9,500棟
・新日軽(株) 約3,800棟
・不二サッシ(株) 約 120棟

3.今後の対応
(1)YKK AP(株)、新日軽(株)、不二サッシ(株)及び(社)カーテンウォール・防火開口部協会への対応

●一連の大臣認定仕様との不適合について、原因究明を行い、再発防止策を検討し国土交通省に報告するよう、改めて指示します。
●当該製品を使用している建築物について、建築基準法への適合性の確認を行い、不適合のものについて改修等の必要な対策を講じるよう指示します。
●当該製品の改善品について、性能確認試験に合格したことを国土交通省に報告してから製造・販売を行うよう指示します。
●相談窓口を設置し、適切に対応するよう指示します。

(2)消費者の相談窓口の設置
●(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターに次の消費者への相談窓口を設置して、相談に対応致します。

【(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターの窓口】
住まいるダイヤル
電話番号:0570-016-100(PHSやIP電話等の場合は、03-3556-5147)
相談時間:午前10時~12時、午後1時~5時(土日祝日を除く。)

(3)国土交通省における対応
●防耐火関連の大臣認定について、社会資本整備審議会建築分科会基本制度部会にてとりまとめたサンプル調査を引き続き実施します。
●今後、アルミ樹脂複合窓については、(社)カーテンウォール・防火開口部協会ではなく、各企業が個別の製品ごとに性能を確認し、大臣認定を受けるよう指示します。

コメント:こうした問題は、業界団体である(社)カーテンウォール・防火開口部協会が、国交省が認定した防火サッシのメーカーによる仕様変更において、各メーカーに対して勝手に認証制度を設けて認証していることにある。
 トステム事件では、(1)トステムは、(社)カーテンウォール・防火開口部協会からちゃんと認証を受けたと言い、(2)(社)カーテンウォール・防火開口部協会は、仕様チェックはするが、防火性能のチェックはしていない。それはトステムも分かっていることだと居直り、(3)国交省は、(社)カーテンウォール・防火開口部協会はサッシ等の業界団体であり、第3者機関でもなく勝手に認証されているだけです。国交省の認定制度とは関係ありませんとのツレない返事であった。
 
その影にあるのが、工業技術研究所などの第3者機関による仕様変更に伴う防火性能チェックの費用が、1品数百万円かかるとされ、その費用をメーカーが惜しんで、当協会に仕様部分のみチェックさせ、認証の印鑑をもらい世に送り出していたことに起因している。

(防火地域では、国交省が認証している防火樹脂サッシが使用されているか、竣工検査でチェックされる。その時、検査官は、原始認定証と当協会の認証表により合格判定していた)
 (社)カーテンウォール・防火開口部協会関係者は、防火試験はメーカーサイドで行うのが当然でしょう。メーカーがケチルからですよと述べていた。

 トステムは1万棟に及ぶとされているが、今回発表がなかった三協サッシは、既にOEM供給を受けトクヤマ製を使用、今回同様のチェックにひっかかった。その時には約1万3000棟の改修工事が行われ、トクヤマが数十億円の引当金を計上して費用処理した経緯がある。


 

[ 2011年3月10日 ]
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