ブリヂストン/12月決算 中国は? 天然ゴム相場暴騰
同社の説明では、日本・アメリカ・欧州は区別されているが、中国は区別されておらず、その他地域として6,119億円、前期比20%増として説明されている。そのなかでも伸びが大きかったのは中国と思われる。同社は中国では2004年、タイヤ事業を統括する普利司通投資有限公司を設立している。2007年中国市場でのシェアーを当時15%から2010年までに20%に引き揚げるとしていた。中国市場は車とともに急拡大しており、達成できたのか疑問である。なぜなら、中国製・台湾製・韓国製などの激安タイヤが中国市場を席捲していることにある。台湾や韓国製は日本メーカーと技術提携して、品質も日本製と遜色がなくなっている大手メーカーもある。また、原料高で安売りはできない事情もある。
<天然ゴム暴騰>
利益については、天然ゴムの価格が金融危機後の安値100円割れから、昨年8月には300円台に、それからも高騰を続け、2月18日には535円まで値上がりしている。
こうした原料高が、ブリヂストンの利益を圧迫している。1月からの今期も売上高は伸びるものの、利益は減少すると予想しているのである。
この天然ゴムの価格上昇の背景には、需給バランスの引き締まりがあり、中国など新興国の消費が急増していることにある。
一方、新たに生産される天然ゴムは、苗を新しく植林してから6年を必要とし、昨年は産地の東南アジアなどが、洪水により生産量を落とすなか、中国などの車両向け需要が急増、需給バランスから、高騰に拍車がかかってる。
中国バブルが少し弾けない限り、逼迫状態は続くと思われる。またこうした高騰には、ハゲタカが絡んでいることは言わずもがな。

<世界の地域別タイヤ等の販売高>
/億円
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売上高
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増加率
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売上高構成
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日 本
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11,546
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14.0%
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34.2%
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アメリカ
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12,239
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8.0%
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36.3%
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欧 州
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3,838
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6.0%
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11.4%
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その他
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6,119
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20.0%
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18.1%
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計(連結)
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28,616
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10.0%
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連結/百万円
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売上高
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営業利益
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経常利益
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当期利益
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09年12月期
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2,597,002
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75,711
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54,457
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1,043
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10年12月期
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2,861,615
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166,450
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147,905
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98,913
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前期比
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110.2%
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219.8%
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271.6%
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9483.5%
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11年12月期通期予想
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3,180,000
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140,000
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124,000
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82,000
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