長崎市監査委員会(3) 新長崎市民病院が14億円も高い大成建設Gに決定した疑義・・
一市民から寄せられた「新長崎市民病院が14億円も高い大成建設Gに決定」した疑義について、長崎市監査委員会は寄せられた疑義について、長崎市の行政を監査した報告書を元に当記事は作成されている。
2、 内容評価点の算出方法について
本件における内容評価点は、優れた提案をA評価と位置付け75%とし、A評価より劣るものをB評価で50%とし、さらに劣るものをC評価で25%としている。さらにA評価の中でも非常に優れた場合をS評価とし加点して100%としている。これを『加点方式』として説明をしているが、Aを100%で、その中でも非常に優れた場合にSとして加点しなければ、通常が75%で、100%は例外ということになる。本事業においては各項目ともS評価が出ておらず、結果として『75%を基本とする加点方式で、100%が全くない方式』であった。
一方価格点については、最も低い金額で入札したグループは必ず500点の満点が配点される。
以上のことから、今回の評価方法について「内容と価格を均等に評価するものである」という説明は、実態の判断を誤らせるものであろう。実際、本件における価格点の平均値と内容評価点の平均値は以下のように大きな差がついている。
価格点の平均 457.24
内容評価点の平均 279.69
また、この内容評価点算定方法は「各委員の評価点を単純合計する方法」に比べて、『小さな評価差異を大きくしてしまう効果がある』ことも指摘しておく。すなわち、些細な差異でA評価とB評価に分かれた場合では、75対50という差がついてしまう。
例えば、僅差でA評価とB評価に分かれた項目が相当程度あれば、総合的に大差がない場合であっても内容評価点に大きな差が出てしまう場合も考えられる。
本件評価においても、価格点のバラツキと内容評価点のバラツキは以下のとおり大きなものになっている(最高点を100として表示)。
価格点のバラツキ 100: 94: 92: 80
内容評価点のバラツキ 100: 93: 56: 54
実際に内容評価点における格差が1~2位と3~4位において約2倍という大差がついていることが、本件措置請求に至る不信感をもたらしていると思われる。
提案内容に対する加点審査 | ||
評価 | 評価の内容 | 得点化方法 |
S | 当該評価項目において特に優れている | 配点×1.00 |
A | 当該評価項目において、他と比べ最も優れた具体的な提案がなされている | 配点×0.75 |
B | 当該評価項目において具体性のある優れた提案がなされている | 配点×0.50 |
C | 当該評価項目において優れた提案がなされているが、具体性や実効性に欠けている | 配点×0.25 |
D | 当該評価項目において評価に値する優れた提案がなされていない | 配点×0 |
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