清水建設グループの入札における提案内容がどうであったか不明であるが、パース画で見る限り、所在する歴史地区に溶け込んだ地域にふさわしいデザインであったとされる。
価格では150億円を提案して満点の500点を獲得した清水建設であるが、総合評価点では大成どころか、180億円の入札価格を出した九電工(鹿島建設)グループにも大差で劣り、総合評価では3番手という結果に終わっている。清水建設の次に安い価格を提示した大林組に至っては、門外のような結論に至っている。

それほどまでに清水建設グループが提出した案が、悪かったのだろうか。決してそんなことはないのでは・・・。
そのように印象付けるように、清水建設の提案書類は、30億円も入札価格が高かった九電工・鹿島グループより、大差を持って提案内容が悪かったという評価点を配したのでは。清水建設は、最低価格を提出したにもかかわらず、トータルの総合評価では意図的に3番手にさせられたのではないだろうかと疑いたくなるのは記者だけであろうか。

市病院局関係者によると、決定の審査委員会のメンバーには、入札価格は分からないようになっていたと述べている。ならば、入札価格は誰もわからないようになっていたのかと詰問したところ、「入札担当者たちや担当役席は分かっていた」という。早い話、複数の関係者が、各社の価格を、提案内容を評価する以前に知っていたのであり、水面下で漏洩していた可能性は否定できない。
入札価格が提出されても、入札価格は開封せず封印され、審査会の評価が確定したときに開封されたならば、談合廃止宣言をしているゼネコンであり、こうした疑いは、少しは薄れようが、肝心要の市の入札担当者が、内容評価する以前に入札価格を知っていたのである。
その評価委員(審査委員)に大勢の市役所の職員が就任しているのであった。

清水建設が3番手になったことについて、ゼネコン関係者の間でも、何故清水は取れなかったのか、いろいろな噂になっている。

よほど清水建設の提案書類は、審査委員会のメンバー全員に理解が得られなかったのか、審査委員から気嫌いされたのか、相手にもされない内容であったのか。それとも・・・。

審査項目：2－②「新市立病院の理念・病院方針への的確な理解と高度・急性期医療を提供する基幹病院として、その医療機能が最大限発揮できる施設計画のあり方について、専門的知見を生かした有効な提案がなされているか」については、100点満点で、大成と九鹿島は75点、大林は50点、清水に至っては25点と最低であった。

この審査項目だけで既に大成と清水では50点も開きが生じている。そう評価された清水建設は、それほど審査委員の意向にそぐわないひどい提案をしていたのであろうか?

また、2－③「長期間に亘り、使用する病院施設として、その建物性能の維持及び医療環境・医療機能等の変化に対して柔軟に対応できる、有効な提案がなされているか。」
当採点は50点満点で、大成と鹿島は37.50点、大林が25点、ここでも清水は12.50点と25点も差を付けられている。
こうした抽象的な審査項目において、何故か大差が付いている。

内容点では、大成と清水の差は162点もあり、この2つの項目だけで75点の開きとなっている。全審査項目12項目すべてにわたり、清水建設は大成建設より大差の劣点となっているのであった。
なお、清水建設は、建物の設計に当っては日建設計をJV指名している。日建設計は、その設計技術、管理・監修技術でも日本を代表する設計会社であることを付け加えておこう

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