アイコン 破綻解説 御堂筋共同ビル開発特定目的会社の破綻について/三菱地所とシンガポール社との戦いにとばっちりの鹿島建設 

御堂筋共同ビル破綻会社:御堂筋共同ビル開発特定目的会社
所在地:東京都中央区日本橋本町1-9-13
代 表:見上正美
設 立:平成19年5月
設立目的:大洋リアルエステートが所有する大阪北区曽根崎新地1-13の旧大阪東映会館の土地を50年間借用して、商業オフィスビルを建て処分するための目的会社。
資本金:優先資本金27億円
株 主:三菱地所(株)51%/CHEN,KATO&PARTNER'S PTE LTD 49%
  CHEN,KATO&PARTNER'S PTE LTDは、大洋リアルエステートの100%親会社

破産状況:4月20日東京地裁に破綻申請、4月27日破産手続き開始決定受ける。
申請代理人:三原崇功弁護士(三原法律事務所、東京都千代田区日比谷公園1-3、電話03-5251-4141)。
負債額:約50億円
破綻に至る経過:株主間の仲違い、三菱地所とCHEN,KATO&PARTNER'S PTE LTDとの間で、三菱地所主導で動いていた当ビルのテナントがなかなか決まらず、敷金等で建設費用を賄う計画のようであったが、計画通り事が運ばなかったこと。それに建設代金支払いの負担割合で両社は揉めていたようだ。

目的建物概要:御堂筋フロントタワー
所 在 地 :大阪北区曽根崎新地1-13(旧、大阪東映会館)
土地の所有形態:土地所有者の大洋リアルエステートから50年間の賃借
建  物  :20階建
設計管理  :㈱三菱地所設計
施 工   :鹿島建設(建築代金未収)
工事完成  :平成22年6月完成済み

同社は、平成19年5月、大洋リアルエステートが所有している大阪市北区曽根崎新地1-13の旧大阪東映会館の土地を50年間賃借して、商業オフィスビル建設を目的に、三菱地所と大洋リアルエステートの親会社CHEN,KATO&PARTNER'S PTE LTDが、共同出資して設立された特定目的会社(SPC)。
当SPCと三菱地所との関係は、開発及び特定資産管理処分受託者という関係

当該の御堂筋フロントタワーは予定通り平成22年6月完成、しかし、三菱地所と大洋リアルエステートの親会社との間で、問題が発生したためテナントを入居させることができなくなった。 
加えて追加資金の調達も困難となり、建設会社の鹿島建設への工事代金支払いも、また、地権者である大洋リアルエステートに対する土地賃借料の支払いもできなくなっていた。 
そのため、同社の51%の株を所有する三菱地所は、自己破産する措置を取った。

CHEN,KATO&PARTNER'S PTE LTDは、シンガポールといっても不明なところが多く、KATO姓は現代表(代表2人制、社長は堀内正雄氏)の加藤和子氏と関係があるようであるが、CHEN氏については不明。巨万の富を稼ぎ出した華僑系統ならば、銭金にうるさく、一筋縄ではいかないだろう。三菱地所がいくらおらが天下の三菱地所だといっても、到底日本の道理は外国人には通用しない。あくまでビジネスであり、利益しか念頭にない。

三菱地所は状況からして、51%の株を所有していたことから、二進も三進も行かなくなり自己破産することを決議したものと思われるが、一等地にある「御堂筋フロントタワー(地上20階)」に対して、既に何十億円もつぎ込んでおり、みすみす損切りすることも考えられず、どんな手を使ってくるのであろうか。しかし、意外と、もうウンザリとばかりに見切り、完全撤退することも考えられる。
鹿島建設は、完成後の留置権を行使しているのであろうか。

大洋リアルエステート㈱(大阪市中央区北浜3丁目1番22号あいおい損保淀屋橋ビル10階): 同社の前身は、昭和30年11月設立された㈱宇治川製茶本店(当時の本社:京都府宇治市)、ユニ・・のブランドでマンション事業等不動産事業に進出、SPC事業で失敗、同社株をCHEN.KATO&PARTNERS PTE LTD(100%保有/本社シンガポール)に譲渡、現在は、金融負債も全額弁済して銀行借入金なし。
 大洋リアルエステーは、過去SPC案件で失敗したことがある。同じことの繰り返しのようであるが、立場は逆のようで何か気になる・・・。
 

[ 2011年5月12日 ]
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