アイコン (株)ララ・プランの破綻について

(株)ララ・プラン(渋谷区道玄坂2-16-4、代表:小松健樹)は8月31日負債額約69億89百万円を抱え、東京地方裁判所に民事再生法の適用申請をして経営破綻した。
 同社は、1982年12月創業された渋谷系ギャルファッション店を展開する会社。94年6月に10代後半から20代前半をターゲットとした小売店「LOVE BOAT」1号店を渋谷の109に開店させ、人気を博し、LB―03」「L.D.S~LOVE DRUG STORE」などを全国各地に舗展開させてきた。
ファンドバブルに乗じた景気の波に乗り、渋谷・新宿を中心とする展開から、渋谷系ファッションを武器に、札幌、横浜、名古屋、大阪、福岡など全国へ展開、約100店舗を超すまでに至った。
 2003年2月期には約74億14百万円の売上高を計上、ジャリタレに圧倒的に支持され、
店舗展開したことから09年2月期には約125億43百万円まで売上高を伸ばした。

しかし、リーマン・ショック後、大不況に突入、ジャリタレの小遣いも減り、こうした世代のアルバイト・パート・派遣も切られ、ジャリタレ世代の懐は総体的に大幅に減少した。次々に変化・流行を作り出す渋谷系ファッションは見切られ、ファッションの基本アイテムを取り扱うユニクロなどのファストファッション店へジャリタレの流れも移行した。ジャリタレファッション界も、渋谷・原宿系での集中から拡散期に入っており、暫くこうした時期は続くものと思われる。

同社は、こうした状況の下、消費不況及びH&M・フォーエバー21・ユニクロなどのファストファションとの競合から販売不振に陥り、2010年期には不採算店舗の閉鎖費用などから14億円の赤字を露呈して債務超過に至った。さらに、11年2月期には79億円まで売上高が悪化、23億円の大赤字が続き、債務超過は拡大した。
それまでの店舗展開における34億円にのぼる借入金も限界に達しており、統廃合によるリストラも売上高が減少・大赤字の露呈と悪循環に陥り、借入月商倍率は逆に高くなり、金融機関からも支援が受けられない状態となっていた。

今年3月に発生した東日本大震災の影響では、買い控えも生じ、売上高の減少に歯止めがかからなくなり、資金不足も限界に至り、民事再生による再建を目指すことになった。

流行の先端を行くファッション店が全国展開するには、かなり無理があると思われる。渋谷で売れなくなったものを地方に回す時代ではなく、流行が廃ればどこも売れなくなる危険性が現実化したといえる。

同社は、財務基盤が脆弱であり、上場して財務基盤の強化を図るとともに、外部から叡智を入れておけば、いろいろな判断があったと思われる。しかし、イケイケドンドンの体質が続く限り、また同じことが繰り返され、変なスポンサーがくっ付いても再建は厳しいものと思われる。
再建の可能性は、渋谷・原宿・新宿だけを残し、他の店舗を潰すことができるかにかかっているとも思われる。地方の採算店はFC化をはかるなども検討されよう。
せっかく、仕入れ業者などへ35億円にのぼる焦げ付きを発生させたからには、大掛かりなリストラ策で、再建を目指すしかない。

今回の潰し方は、金融機関に迷惑(34億円)をかけても金融機関は痛くも痒くもないが、納入業者などの一般債権者に大きな(35億円)迷惑をかけ最悪である。連鎖倒産が心配される。

 

[ 2011年9月 3日 ]
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