アイコン 欧州金融危機 リーマン・ショックどころではない そして問題は中国へ

格付機関ムーディーズ・インベスターズ・サービスの米国チーフアナリスト、スティーブン・ヘス氏は9日、ロイター・ワシントン・サミットで講演し、ユーロ圏債務危機がイタリアなどの大規模国を巻き込む形で深刻化すれば、米国経済はリーマンショックのような打撃を受ける可能性があるとの見方を示した。
 ヘス氏は「現下の欧州の問題が波及するとすれば、主に銀行システムを通じて波及すると考えられる」と述べ、 銀行間市場が突如、機能不全に陥り、銀行の貸し渋りが起こった2008年のリーマン破綻時と似たような状況になると予想した。

 現在の銀行間市場については、「一部の銀行がギリシャ国債の減損処理などに備えるため、資金を出し渋っている」として、若干引き締まるにとどまっている、と評価したが、「しかしながら、もし危機がはるかに深刻化、たとえばイタリアを巻き込む事態、これはあくまで仮定でムーディーズの想定にはないが、万一そうなった場合、米国の金融システムに突発的に問題が生じる可能性がある」と述べた。
 米金融システムに問題が起こるとすれば、きっかけは米銀が保有するギリシャ、イタリア、その他欧州の危機国債券ではなく、世界的な銀行間市場の機能不全の可能性が大きいと説明。
 「米銀はリーマン危機の時よりはるかに強くなっており、政府による救済が繰り返されることはない」と述べた。・・・ロイター

 欧州経済が直面する加盟国の国債(=ソブリン債)の処理を誤れば、欧米の銀行が所有する当該国の国債が暴落して、金融機関の危機に直面する。
 ギリシャに対しては、一定の支援策で危機を乗り越える道筋を立てたが、今度はイタリアが本格的な危機に直面している。ハゲタカ投機金がイタリア経済の不安から売り浴びせ、金利が7.4%台まで上昇して最危険域に達し、アメリカのダウが389.24ドルも暴落した。
 負のスパイラル現象が大きく動き出した。GDP比でいえば、イタリアはギリシャの6.72倍もある。イタリアの次は負の連鎖でスペインに飛び火しようが、同国も4.61倍ある。これでは、EUを主導するフランス・ドイツもギブアップしよう。
EUは現在こうした危機に対応して100兆円規模の安定化基金を用意するとしているが、加盟国27ヶ国全部の承認を前提としており、ギリシャ救援でもやっとこさ承認された経緯があり、目先捨て金となるEU安定化基金への拠出承認は各国で否決されることが濃厚だ。
27ヶ国の各国金融機関がイタリアのソブリン債を所有していれば別だが、大きく所有しているのは、フランス・ドイツ・イギリス・アメリカの金融機関が主なところである。
 
 ギリシャでは、国債の50%での決済が決定しているが、経済規模が全く異なるイタリアも同様な措置が取られたら、国債所有金融機関は破綻する銀行が多発するものと思われる。その次には、スペインへ火の粉が降りかかる。
こうした欧州の金融危機は、負のスパイラルにより、金融機関が貸し出しを抑制もしくは引き揚げにかかり、ますます経済が疲弊することになる。
その影響を一番受けるのは中国。欧州が危機に陥れば、米経済も落ち込み、バブル崩壊で綱渡りしている中国経済が、欧米への輸出が更に大幅に減少することから、本格的なバブル崩壊局面を迎える。欧米への輸出、中国への輸出で賄っている日本経済も、どん底に陥ることになる。

実体経済と大きく乖離し過ぎたハゲタカの金融資本が一人歩きし、政治がハゲタカに振り回されている状況が続く限り、その世界経済の危機は常に存在する。
 

[ 2011年11月11日 ]
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