アイコン 2011年の清涼飲料市場/富士経済

富士経済は、今年2回目となる国内の清涼飲料市場の調査を8月から10月にかけて実施した。この調査では、果実・野菜飲料、炭酸飲料、乳性飲料、嗜好飲料、ミネラルウォーター類、機能性飲料、その他飲料の7分類18品目について、市場の現状を分析し今後を予測している。

<調査結果の概要>

2011年3月に発生した東日本大震災と福島第一原発事故は、飲料業界に対しても甚大な被害をもたらした。工場が被災した企業も多く、製造・充填ラインの損壊や倉庫及び在庫品への影響も深刻なものとなった。
PETボトル、キャップ等の包材が震災の影響で確保が困難となったほか、計画停電の影響を受けてアセプティックラインは無菌状態が維持できず、また、夏場の節電に対応した“節電自販機”は照明を落としたことなどから、自販機の依存度が高い商品の実績を減少させた。

2011年の清涼飲料市場動向
/億円
2011年見込
前年比
2012年予測
前年比
構成比
嗜好飲料
18,431
98.60%
18,383
99.70%
38.65%
乳性飲料
10,688
96.10%
10,571
98.90%
22.23%
機能性飲料
5,696
98.60%
5,651
99.20%
11.88%
果実・野菜飲料
4,922
97.80%
4,830
98.10%
10.15%
炭酸飲料
4,481
94.30%
4,454
99.40%
9.36%
ミネラルウォーター類
3,031
117.20%
2,940
97.00%
6.18%
その他飲料
736
96.00%
734
99.70%
1.54%
合 計
47,984
98.50%
47,563
99.10%
100.00%
嗜好飲料
嗜好飲料は、構成比最大の缶コーヒーが前年並みを維持したが、前年に拡大した紅茶やリキッドコーヒーは猛暑の反動もあって伸び悩んでいる。
無糖茶系飲料では、震災でプロモーション機会を逃した結果、多くのブランドが低調で、マイナスが見込まれる。
<乳性飲料>
乳性飲料は、震災により工場が被災した企業はもちろんのこと、資材を供給する企業の工場被災でカートン紙の調達や、放射能問題で原乳の調達に各社苦慮し、全体としては減少が見込まれる。ただし主力商品への生産集中で好調なブランドも見られる。
<機能性飲料>
機能性飲料は、猛暑によって大きく拡大した昨年の反動と、震災後は各企業にとって優先順位が低い商品も多かったためにマイナスが見込まれる。
<果実・野菜飲料>
果実・野菜飲料は、全体では震災の影響から各企業が優先順位の高い商品・商品群に生産を集中させたことで休売となる商品が多くみられた。一方で安定供給を続けた企業もあり、優先順位の低い商品を休売した企業とで二極化した。
野菜系飲料では本格感を求める消費者に、野菜汁100%の野菜飲料が受け入れられており、市場が活性化している。また、200ml以下のパーソナル紙容器の伸びや、セット売り等の販売戦略も奏功しており今後も需要が高まると予想される。
<炭酸飲料>
炭酸飲料は、ここ数年市場を牽引してきたゼロ系商品がブームに陰りが見られ減少に転じ、各企業の優先順位の高い商品への生産集中から実績を落としたブランドも多く、さらに前年の猛暑の反動もあるため、減少が見込まれる。
<ミネラルウォーター>
ミネラルウォーター類は、東電福島原発爆発の影響から生活水としての消費者の大量購入で国産品を中心に大幅増が確実となっている。
ミネラルウォーターの市場動向
/億円
2011年見込
前年比
2012年予測
前年比
構成比
国産品
2,379
120.30%
2,308
97.00%
78.50%
輸入品
652
107.10%
632
96.90%
21.50%
   計
3,031
  
2,940
97.00%
 
<その他飲料>
その他飲料は、豆乳類が健康志向や料理用途などの需要を獲得している。また、震災の影響で飲用牛乳が品薄となったことから、代替品として大容量の無調整豆乳が需要を獲得している。
 
コカコーラ
[ 2011年11月24日 ]
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