アイコン 「茶のしずく石鹸」40代女性62百万円の訴訟審理入り

「悠香」が販売していた「茶のしずく」を使って、重いアレルギーを発症したなどとして、損害賠償を求める裁判が、22日福岡地方裁判所で開かれた。
訴えているのは、福岡県内に住む40代の女性。女性は4年ほど前に「茶のしずく石鹸」を使い始めた後、成分に含まれる小麦で重いアレルギーを発症し、激しいショック症状が起きたなどとして、6200万円余りの損害賠償を求めている。
原告の女性は、問題が明らかになる前から「悠香」に対し対策を求めていた。女性は「どうしてこんなに長い間放置していたのか。強い憤りを感じる」と話している。
日本アレルギー学会によると、全国で少なくと も569人がアレルギー症状を発症。そのうち66人が、重篤な状態に陥った。
これに対し「悠香」側は因果関係を明らかにするよう主張し、請求の棄却を求めている。
「茶のしずく石鹸」アレルギー問題は、全国各地で被害弁護団が結成されている。

「茶のしずく石鹸」では、洗顔した後の保湿感を高めるため小麦由来成分を使用している。しかし、当小麦由来成分は、他の多くの洗顔石鹸メーカーでも 使用されており、何故「茶のしずく石鹸」だけ、こうも多くのアレルギー症状の患者が発症したのか、まだ解明されていない。(一説には、「茶のしずく石鹸」 で使用されている粒子が体内の取り込まれやすい大きさになっていたためとの説もある)
製造者責任(PL法)では、医薬品の開発は、基礎研究、動物実験、臨床試験と進んでいくが、そのすべての段階において「当時の科学、技術に関する知識に よっては、欠陥を知ることができなかった」と言い切れるだけの資料調査、分析、検討を実施し、その資料を保存しておかねばならない。
こうした実験段階で仮に事故例などが報告された場合は、徹底して調査し、その原因について分析し尽くさなければならない。事故報告があったのに「原因不明」のまま開発を続ければ、「開発危険の抗弁」は法廷で主張できないとしている。

「茶のしずく石鹸」は、外部医薬品として厚労省の認可を受けている。当然、小麦由来成分を使用したものである。
厚労省も小麦アレルギーと当成分を含んだ医薬部外品石鹸との因果関係を、これまでに大きな問題にならなかったことから解明もされていない。

以上の観点から、悠香は、当時の「茶のしずく石鹸」によりアレルギー問題が発生したことは認めるにしても、その賠償においては、治療費相当額で済ますことを念頭に裁判に臨んでいるものと思われる。
発症者が、多額の慰謝料を求めるならば、その因果関係を立証する必要があり、医学研究者でも「茶のしずく石鹸」使用者の0コンマ以下の発症率と当該石鹸との因果関係を立証するのは極めて難しいものと思われる。

解明するには、当該石鹸を使用して、発症した患者の体質を調べるため、発症者のDNAとそうでないDNAを調べつくす必要があろうが、それは原因究明であり今後の対策には必要であろうが、今回の賠償責任問題とはかなり離れた問題である。

裁 判では、悠香側が事前に予見できたのかが争点となろうが、当然、悠香側が事前に予見できなかったと主張することは目に取れる。当石鹸を認可した厚労省側に も参考人招致を求めると思われる。そこでは厚労省側は、悠香側とまったく同じ主張をするものと思われる。それでは、裁判の判決も見えている。

し かしながら、被害者側の勝目もある。それは、小麦アレルギー問題そのものは以前からあったことにある。肌・皮膚からの吸収による(医者事例として)発症事 例は初めてと思われ、また、小麦由来成分は多く保湿成分として使用されているものの「開発危険の抗弁」を悠香側は立証する必要がある。
(患者側はアレルギー学会に依頼して、当該石鹸以外での小麦由来成分による過去の発症事例を集める必要がある)。
裁判官がどう判断するか注目される。

当然、最終的な製造者責任問題は悠香側にあり、その直接的な被害額については、同社も認めるものと思われる。しかし、今回の裁判のような慰謝料を含む高額な請求については、最高裁まで戦うものと思われる。

悠香側は、600人余りに発症者が上っており、発症者をランク付けし、早期に医者代・薬代など直接費用+交通費など直接費用に関わる間接費用+常識的な慰謝料を支払うことが望まれる。

今回の問題では、消費者庁が、厚労省から発症報告を受けながら発表せず、被害を大きくしており、消費者庁にもその賠償責任があろう。

[ 2011年12月24日 ]
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