アイコン ベアリング価格談合カルテル 日本精工・NTN・不二越 公取委検事総長に告発

公正取引委員会は、軸受製造販売業者に係る価格カルテル事件について犯則調査を行ってきたところ、独占禁止法に違反する犯罪があったと思料して、同法第 74条第1項の規定に基づき、6月14日、日本精工株式会社ほか2社及び同犯罪当時に被告発会社3社で軸受の販売に関する業務に従事していた7名を検事総 長に告発した。
その概要は以下のとおり。

(1)被告発会社
 被告発会社
本社所在地等
産業機械
自動車
日本精工株式会社
東京都品川区
NTN株式会社
大阪市西区
株式会社不二越
富山市

(2) 前記被告発会社3社の軸受の販売に関する業務に従事していた者7名

2 告発の根拠
(1) 事実
被告発会社3社は、軸受の製造販売等の事業を営む者であり、被告発人7名は、被告発会社3社の従業者として,軸受の販売等に関する業務に従事していた者である。

ア 産業機械用軸受
被告発人7名のうち、被告発会社3社の産業機械用軸受の販売等に関する業務に従事していた6名は,同一会社に所属する被告発人及びその他の従業者らと共謀の上、産業機械用軸受の製造販売等の事業を営む他の事業者の従業者らとともに、被告発会社3社等の業務に関し,平成22年5月下旬頃から同年8月下旬頃までの間、東京都内等において,産業機械用軸受の販売価格を被告発会社3社等が共同して引き上げることなどについて、会合を開催するなどして協議を重ね、同年7月1日以降に納入する産業機械用軸受の販売価格を同年6月時点における被告発会社3社等の販売価格から、一般軸受につき8パーセントを,大型軸受につき10パーセントを、それぞれ引き上げることを販売先等に申し入れるなどして、軸受の原材料である鋼材の仕入価格の値上がり分を産業機械用軸受の販売価格に転嫁することを目途に引き上げること、並びに、具体的な販売価格引上げ交渉に当たっては、販売地区及び主要な販売先ごとに被告発会社3社等の従業者らが連絡、協議しながら行うことを各合意し、もって被告発会社3社等が共同して、産業機械用軸受の販売に関し、被告発会社3社等の事業活動を相互に拘束することにより、公共の利益に反して、産業機械用軸受の販売に係る取引分野における競争を実質的に制限した。

イ 自動車用軸受
被告発人7名のうち、被告発会社2社の自動車用軸受の販売等に関する業務に従事していた2名は、同一会社に所属するその他の従業者らと共謀の上、自動車用軸受の製造販売等の事業を営む他の事業者の従業者らとともに、被告発会社2社等の業務に関し、平成22年7月上旬頃から同月下旬頃までの間、自動車用軸受の販売価格を被告発会社2社等が共同して引き上げることなどについて、東京都内等において、被告発人らが相互に連絡を取り合って協議を重ね、同年7月1日以降に納入する自動車用軸受の販売価格を、同年6月時点における被告発会社2社等の販売価格から、軸受の原材料である鋼材の投入重量1キログラム当たり20円を目途に引き上げることを合意し、もって被告発会社2社等が共同して、自動車用軸受の販売に関し、被告発会社2社等の事業活動を相互に拘束することにより、公共の利益に反して、自動車用軸受の販売に係る取引分野における競争を実質的に制限した。
告発されたのは、日本精工の高川恵介(60)、桑原克己(57)両元執行役常務、NTNの本間正志取締役(63)、不二越の荻野肇一元取締役(58)ら。
強制調査(家宅捜索)を受けたジェイテクト(名古屋市)は、公取委の調査前に課徴金減免制度に基づき自主申告したため、告発対象から外された。

公取委によると、日本精工、NTN、不二越の3社は10年5~8月、幹部が会合を開くなどして、工業機械用のベアリングを8~10%値上げすることで合意。また日本精工、NTNは同年7月、電話で協議するなどして、自動車用を1キロ約20円値上げすることで合意した疑いが持たれている。
 公取委は、当価格談合カルテルは、より悪質と捉え、監督処分や課徴金にとどまらず、刑事告発に踏み切った。

[ 2012年6月14日 ]
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