アイコン 中国の最近の不動産事情

7月5日付中国証券報は、次のとおり不動産市場について報道した。中国不動産市場研究調査機構の中国指数研究院が、発表した資料では、政府当局が実施した 不動産価格抑制政策の影響を受け不動産開発企業からの需要が減り、地方政府の主要収入源となっている土地譲渡金収入が引き続き減少している。同研究院によ ると、今年1~6月の全国300都市土地譲渡金総額は約6,526億元(8兆4838億円/13円換算)と、前年同期比で▲38.0%減少。
一方、不動産大手「鏈家地産」の市場研究部がまとめた調査では、今年上半期の経済的重要都市(第一線都市)である北京、上海、広州、深センの土地譲渡金総額はわずか440億元にとどまり、前年同期比で▲55.3%激減。

同調査によると、上半期における同4都市の土地譲渡成約済件数は367件、成約済建設用地面積は1,567ヘクタール(1,567万平方メートル)、平均土地価格は1平方メートル当たり1,664元(13円換算:21,632円)と、2010年以来となっている。 財政不足 不動産価格抑制政策を微調整する地方政府が増加する見通し
 土地譲渡金収入の減少とともに、地方政府にとって重要な不動産関連の税収入が減少している。

財政部の統計によると、分譲住宅販売額の急減で、今年第1四半期(1~3月期)の不動産営業税は、前年同期比で▲17.5%減少。また5月には、不動産営業税総額が前年同月比で▲22億元減少し、減少幅が▲6.9%となった。
 財源不足に頭を抱える地方政府にさらに追い打ちをかけているのが、地方債の償還圧力だ。今年3月、国家審計署は2012年には総額約1兆8,400億元(23兆92百万円/同)の地方債が満期を迎えると発表している。

土地関連収入に依存する地方政府が、いかに債務を返済するかが注目される中、一部の地方政府はすでに、少しでも土地収入を増やすため、中央政府が実施する同抑制政策の微調整を行っている。

7月5日付中国証券報によると、今年上半期に少なくとも20の都市の市政府が同抑制政策の微調整について明確な指示を出した。

指示内容は、購入する1軒目住宅に関する基準の変更、土地譲渡金の支払方法の変更、住宅購入補助金の給付や税金優遇、公的住宅積立金融資の限度額の引き上げなどが含まれている。
昨年8月以来、このような微調整を行う都市はすでに40に上り、今後とも増加傾向にある。

国内不動産専門家の間では今年下半期において、同抑制政策の微調整で不動産市場および土地需要はある程度にまで回復するが、中央政府の同抑制政策が依然続いており、昨年の水準に戻ることはないとの見方を示している。

<最近の動向>
最近の動向では、こうした都市での微調整が功を奏しているのか、北京市住建委の集計では、2012年7月第一週(2日~8日)の新築分譲住宅の契約数は、前週比で▲18.3%減、11年の週平均取引量(約1700件)比で86.8%増、6月の週平均水準比で13.4%増の3,176件となり、住宅の取引量(新築住宅・中古住宅を含む)は前週比25.11%減の6,322件と週単位ではバラつきがあるものの昨年より大幅に取引量は増加してきている。

鏈家地産市場研究部の集計では、2012年7月第一週、分譲住宅の前売り平均価格は前週比5.7%増、前月同期比17.8%増の1平方メートル当たり2万1252元となり、平均取引価格は5週連続で2万元を上回っている。
住宅購入シーズンに入り、取引価格2万元以上の物件が占める割合は4月以前の2割前後から3割近くに拡大している。

上海易居房地産研究院によると、北京の90平方メートル以下の住宅取引量の占める割合は12年2月の37%から3~4月には30%以下に縮まる一方、140平方メートル以上の住宅の占める割合は10ポイント増の40%に迫っているという。
富が集中した富裕層のニーズが以前高いことを窺わせている。

ここ1年、こうした中国不動産市場にのこのこ出ていった日本の商社や住宅デベロッパーは大丈夫だろうか?

[ 2012年7月23日 ]
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