なぜ任天堂はネットで叩かれるのか 前編
任天堂は本当に終わったのか
去年の暮れより、上場以来初の赤字とあってか、「任天堂は終わった」的な記事がやけに目に付いている。
円高や世界不況などもあり、日本国内の企業のほとんどが低迷・混迷している中、シャープのような倒産の危機でもないのに、なぜ任天堂がここまで執拗に叩かれるのだろうか。
任天堂、「ネット課金」開始 赤字目前で方針転換(朝日)
任天堂決算のネット記事「ゲーム販売伸び悩む」→「3DSの赤字幅縮小」/日本経済新聞
産経新聞は任天堂が大嫌い!?
その他2chまとめブログ
春頃は特に日経・産経が酷く、とうとう公式ツイッターで社長自らぼやく始末。
[岩田]ところで、月曜日に電子版媒体で当社に対する不正確な報道がありました。このようなことが何度か続いていますが、文脈を無視して恣意的に言葉を抜き出したり、事実と憶測を混ぜて書いたり、まるでゴシップ誌のような手法を採られていることに驚いています。
— 任天堂株式会社さん (@Nintendo) 2月 22, 2012
筆者も、2chまとめブログの子供たちの「文章を恣意的に抜き出す遊び」を大新聞らも始めたかと呆れたものだ。
世間に対し、どれくらい「任天堂終了」記事の効果があるのかはわからないが「任天堂ヤバイらしいよ」とか「3DS売れてないんだってね」とか携帯を持ちはじめた中高生が噂するくらいは効果があるのだろう。
さすがに、小学生になると「マリオ」と「ポケモン」さえ出来ればどうでもいいみたいだが。
それではゲーム歴30年の筆者が、なぜ任天堂はネットで叩かれやすいのか、いくつかの要因をあげてみよう。
アクセス・株価・比較
一つは、アクセス稼ぎとして。
有名な2ch系ゲームブログサイトの管理人自らアンチ任天堂を名乗るくらい、ゲーム系ブログを筆頭にネット上にはアンチ任天堂が多い。
元々、アンチはなぜか能動的に悪評を拡散する傾向と嫌いなものに対する執着心が強いので、そこを利用してのアクセス稼ぎだろう。
任天堂ユーザーはファミリー・キッズ層が多く(アクセス数に)反映されにくいというのもあるのではないだろうか。
要はサイトの主になる客に任天堂ユーザーが少ないということだ。
もう一つは、日本経済・株価の低迷の見本や素材として。
5年前には一株7万円以上の高額な値段をつけた株価が今では9千円を切っている。
これは、他企業同様に円高・ユーロ安の影響がかなりあるだろうが、様々な意味で注目されている株でもある。
センセーショナルな記事で、投資家たちに興味を引かせるには絶好の素材であるのではないだろうか。
最後は、いま勢いがある競合他社の比較対象として。
ゲーム業界において急激に業績やシェアをのばしたグリーやDeNAなどの携帯SNSゲープラットフォームや、アップルのIphoneなどのスマートフォン市場。
記事を書く際、比較対象として「落ちていくもの」を対象にするのは良くあることで、それが何度もブームを巻き起こした日本のゲームの象徴ともいうべき任天堂ならば読者も興味を引きやすい。
本当に落ちてしまったソニーの「プレイステーション」ではなく、なぜか任天堂なのはそれほど「ゲーム」と「任天堂」がイコールだからではないだろうか。
他にも、産経はマイクロソフトと組んでサイトを運営している手前叩くしかないんじゃないかとか、赤字のために広告費が減ったからじゃないかとか、経団連に入ってないからじゃないかとか、他社のFUD(大衆が信じていることに反するような情報を広めることで、大衆の認識に影響を与えようとする戦略的試み)じゃないかとか、色々な噂もあるが、まあこれらは陰謀論に近いから除外で。
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
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