新会社は、粗鋼の生産量で世界最大の「アルセロール・ミタル」に次ぐ世界第２位の鉄鋼メーカーとなる。
今回の合併で工場の再配置や事務部門のスリム化などでコストの削減を進めるほか、自動車用の鋼板や継ぎ目のない鋼管(住金のシームレスパイプ)など両社が持つ先端技術を持ち寄って、新たな製品や技術の開発につなげたい考え。

鉄鋼業界では、経済成長を背景に中国メーカーが規模の拡大を続けているほか、韓国メーカーが技術面で追い上げを見せている。
一方で、世界経済の減速で鉄鋼メーカーの業績は世界的に悪化しており、「新日鉄住金」は、合併の効果によって国際競争力を高めることができるかどうか問われる。今後、安値を武器とする中国勢のいっそうの台頭は避けられず、規模より品質や付加価値製品にシフトしていく必要があろう。
なお、韓国メーカーのポスコに対しては、新日鐵が技術を盗んだとして１,０００億円の損害賠償請求訴訟を起こしている。

新日鉄住金となった初日の株価は、中国の反日経済制裁・中国の景気後退・燻り続ける欧州財政問題などより全体の地合いが悪すぎ、お祝い相場とはならず、前日比２円のマイナススタート、午後２時００分現在４円安の１５６円前後で推移している。
中国では、不況下、鉄鉱石や石炭の大輸入により港湾が溢れており、豪州から引取りを猶予してもらうほど、中国鉄鋼業界や経済は落ち込んでいる。