アイコン 関西電力と九州電力の値上げと経費削減

原発比率の高い関西電力と九州電力は、電気料金の大幅値上げ申請。
関西電力は26日、家庭向けで平均11.88%の電気料金値上げを政府に申請した。認可がいらない企業向けの値上げ幅は平均19.23%の大幅値上げとなっている。
電気料金の値上げに合わせた合理化策の一環として、人件費を2013~15年度の各年度平均で08年度より約18%削減、年間1,934億円に引き下げると発表した。

1951年の会社設立以来初の給与カットに踏み込み、社員の平均年収を790万円(11年度)から13~15年度の3年平均で664万円に約16%下げる。
 人件費削減では、14、15年春の新卒採用をいずれも390人と、12年春実績(602人)より約35%抑制。約500人の自然減と合わせ、本体の従業員数を15年度末までに約1000人削減する。神戸市と福井県おおい町にある2ヶ所の保養所全廃などで福利厚生費も減らす。
同社単体の従業員は20,729人、平均年齢41.3歳、平均年収8,050千円、連結では33,740人。単体での従業員削減率は4.8%となる。年収の違いは何だろう。

1,000人(減員)×790万円(平均年収)=79億円
19,729人(残従業員)×134万円(引下額)=264億円

合計343億円が人件費の削減となる。(別途、連結従業員1万3千人の年収を単体同様134万円下げると174億円捻出されると仮定した場合517億円のカットに達する)

<九州電力の場合>
九州電力は、家庭向けの値上げ幅を平均8・5%程度とする方針を固めた。政府の認可が必要ない企業などの大口向けは同15%前後値上げする方針。
九州電力の場合、単体従業員12,166人、平均年齢40.6歳、平均年収8,330千円となる(関電より年収は高い)。九電では11年度の総人件費1,679億円に対し、年平均150億〜200億円程度削減する方針。ただ、年収削減率は1割以上削減と抽象的な削減率にとどめている。
九電も老健施設など本体業務と関係ない事業売却を進めているようだが、まだそうしたリストラは表明していない。

両電力会社も値上げ申請条件として、原発再稼動を条件としている。関電の場合、運転中の大飯原発3、4号機(福井県)に加え、高浜原発3、4号機の稼動を前提としている。 
九電の場合は、原発6基のうち川内2機と玄海原発2機の計4機を稼動条件としている。

電気料金が諸外国と比較しても超割高となっており、エネルギー資源がないことを口実に、これまで国と電力業界の癒着による料金設定がここにきて、崩壊寸前となっている。原発依存度の低い電力会社は電気料金の値上げも抑えられる。沖縄電力は原発なし、天然ガス価格も今後市場価格連動性での購入となり、シェールガス開発によりそれまで天然ガスの最大輸入国であったアメリカの輸入依存度が急激に減少しており、石油のように化学産業に貢献しない天然ガス価格は下がる一方となっている。アメリカ向け輸出が大幅減少し、産油力に大幅なゆとりが生じているハゲタカ国カタールから日本だけが原発停止祝いのプレミアム価格まで付けられ、日本の電力会社は高買いさせられている。
国際経済に疎い電力業界と国際政治に全く力のない政権によってこうした現象が生じ、国民により大きな負担がもたらせられる結果を招いている。
 

[ 2012年11月27日 ]
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