アイコン 世界笑者 電力業界の天然ガス高値買い 電気代に価格転嫁 

アメリカのシェールガス(LNGの一種)採掘が本格化し、世界の天然ガスがだぶ付き、価格が大きく下がっている。
しかし、日本はメジャーに言いくるめられ、高値買いを常態化させ、元々高い電気料金を更に、高く購入した天然ガス代を企業に一般家庭に押し付けようとしている。
一時こうしたニュースも流れたが、再度言及することにする。

高値買いをしているのは、これまで同様カタール産のLNGである。カタールは、2008年に米石油メジャーのエクソン・モービル+ロイヤル・ダッ チ・シェル+コノコフィリップスなどが巨額を投じて、これまでの年産3,000万トンから7,700万トンの大増産設備を完成させ、世界最大の供給基地と なった。

しかし、一方で、最大の需要国である米国において、シェールガスの本格的な採掘が急ピッチで行われ、米国の需要を殆ど賄うまでになった。そのため、 カタールから米国への供給が殆どなくなってしまった結果、増産設備の半分は宙に浮く存在となっていた。そこに降って涌いた日本からの特需により喜びたっ た。

しかし、一方で、最大の需要国である米国において、シェールガスの本格的な採掘が急ピッチで行われ、米国の需要を殆ど賄うまでになった。そのため、カタールから米国への供給が殆どなくなってしまった結果、増産設備の半分は宙に浮く存在となっていた。そこに降って涌いた日本からの特需により喜びたった。

日本は、カタールからのLNG購入に価格交渉もせず、殆ど言われるがままに100万BTU(英国熱量単位)当たり18ドルあたりで購入した。もともと日本はカタールから供給を受け、価格は同16ドルあたりで購入している。
そうした中で、いくら原発停止の緊急調達といっても、世界の市場価格より超割高購入は世界の笑い者になっている。

世界のLNGの相場は、
アメリカでは、シェールガスの大増産により、天然ガス価格はここ2年間をみても半額となっており、同2.5ドル前後の水準である。

中国は、トルクメニスタンの天然ガスをパイプラインでの輸入価格は同10ドル前後となっている。

欧州でも中国でも高値を押し付けるロシアの天然ガスもこうした価格に押し下げられ、同10ドル前後となっている。

韓国もカタールから同16ドル前後で購入しているが、世界のLNG価格が暴落する中、韓国ガス公社がアメリカにおいて同4~5ドルで契約を交わしている。

こうした、世界事情に疎い日本の電力業界や天然ガス業界は、いくら高値買いしても国のお墨付きで国民に価格転嫁できることから、これまで何の痛みも感ぜず、国のご加護の下にのうのうと経営を行ってきた。

電力業界は、カタールは安定供給先だからと逃げようが、そんなことは今や通用しない世界であり、シェールガスの本格採掘により、天然ガス市場が大きく値下がりしている現実に対して、国家を上げて取り組むべき問題である。
もう暫くすれば、アメリカ・カナダはシェールガスの大輸出国となる。ますます天然ガスは値下がりが生じる。

今回、日本の需要量がいくら大きいといっても、弱腰で足下を見られ、世間離れした価格で買う必要がどこにあろうか。世界市場に対するマーケティング力は、日本は最後進国か。

日本の海洋資源のハイドロメタン(天然ガスの一種)の開発及び営業供給には、資源があったとしてもまだ10年以上かかる。急がねばならないが、現状、世界の笑い者になっている高値買いしての電気代値上げなど、国民としては断じて許されるものではない。

参照:ロイター記事など

ひょっとしたら、原発コストが如何に安いかを今になっても国民に植え付けるため、意識的に高値買いした可能性も捨てきれない。残念ながら、それが高値買いとなった根拠なのかもしれない。

[ 2012年6月26日 ]
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