アイコン 今こそ世界一を/安倍晋三首相 所信表明演説要旨

安倍晋三二位じゃだめなんですか―。
そのネガティブな言葉の恐ろしさは、多くの日本国民が痛みとともに知らしめられた。
安倍首相の「世界一を目指そう」という力強い言葉は、次世代の日本人、子供たちへの力にもなろう。

以下、時事通信社より転載。

安倍晋三首相の所信表明演説要旨は次の通り。

アルジェリアでのテロ事件発生以 来、政府は総力を挙げて情報収集と人命救出に取り組んできた。しかし、世界の最前線で活躍する何の罪もない日本人が犠牲となったことは痛恨の極みであり、 ご家族の気持ちを思うと悲痛の念に堪えない。無辜(むこ)の市民を巻き込んだ卑劣なテロ行為は決して許されるものではなく、断固として非難する。事件の検 証を行い、国民の生命・財産を守り抜く。国際社会と連携し、テロと戦い続ける。

【はじめに】
 昨年末の衆院選を経て、自公連立政権を発足させ、第96代内閣総理大臣を拝命した。私はかつて病のために職を辞し、大きな政治的挫折を経験した。過去の反省を教訓として心に刻み、丁寧な対話を心掛けながら、真摯(しんし)に国政運営に当たることを誓う。再びわが身をささげんとする決意の源は、深き憂国の念にある。
 デフレと円高の泥沼から抜け出せず、50兆円とも言われる莫大(ばくだい)な国民所得と産業競争力が失われ、真面目に働いても暮らしが良くならない日本経済の危機。遅々として進んでいない東日本大震災からの復興の危機。外交政策の基軸が揺らぎ、わが国固有の領土・領海・領空や主権に対する挑発が続く外交・安全保障の危機。陰湿ないじめが相次ぎ、この国の歴史や伝統への誇りを失い、学力低下が危惧される教育の危機。
 額に汗して働けば必ず報われ、未来に夢と希望を抱くことができるまっとうな社会を築くため、政権与党に復帰した今こそ温めてきた政策を実現させ、国民と共に現下の危機突破にまい進する。
 内閣発足に当たり、全閣僚に「経済再生」「震災復興」「危機管理」に全力を挙げるよう指示した。危機の突破は、全閣僚が一丸となり取り組むべき仕事であると同時に、与野党問わず、国政に携わる全国会議員が担うべき責任でもある。危機を突破せんとする国家の確固たる意思を示すため、与野党の英知を結集させ、国力を最大限に発揮させようではないか。各党各会派の理解と協力を切に求めてやまない。


 【経済再生】
 最大かつ喫緊の課題は経済の再生だ。これまでの延長線上にある対応では、デフレや円高から抜け出すことはできない。これまでとは次元の違う大胆な政策パッケージを提示し、断固たる決意で「強い経済」を取り戻していく。
 経済再生の司令塔として「日本経済再生本部」を設置し、「経済財政諮問会議」も再起動させた。この布陣をフル回転させ、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「3本の矢」で、経済再生を推し進める。
 金融政策は、従来の政策枠組みを大胆に見直す共同声明を日銀との間で取りまとめた。日銀において2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現することを含め、政府と日銀がそれぞれの責任で共同声明をきちんと実行することが重要であり、政府と日銀の一層の緊密な連携を図る。
 加えて、「緊急経済対策」で景気を下支えし、成長力を強化する。2012年度補正予算はその裏付けとなる。「復興・防災対策」「成長による富の創出」「暮らしの安心・地域活性化」の三つを重点分野として、大胆な予算措置を講じる。
 他方、財政出動をいつまでも続けるわけにはいかない。民間の投資と消費が持続的に拡大する成長戦略を策定し、実行していく。
 iPS細胞が実用化されれば、新たな富と雇用も生み出す。イノベーションと制度改革は、社会的課題の解決に結び付くことで経済再生の原動力となる。最も大切なのは未知の領域に果敢に挑戦をしていく精神だ。今こそ世界一を目指そう。
 世界中から投資や人材を引きつけ、年齢や障害の有無にかかわらず、生きがいを感じ、チャンスを与えられる社会。男女が共に仕事と子育てを容易に両立できる社会。中小企業・小規模事業者が躍動し、農山漁村の豊かな資源が成長の糧となる、地域の魅力があふれる社会。そうした「あるべき社会像」を確かな成長戦略に結び付けることにより、必ず「強い経済」を取り戻す。
 同時に、中長期の財政健全化に向けプライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化を目指す。


 【震災復興】
 東日本大震災の被災地は2度目の厳しい冬を迎えている。復興という言葉を唱えるだけでは何も変わらない。政府の体制を大転換して行政の縦割りを排し、復興庁がワンストップで要望を吸い上げ、現場主義を貫く。補正予算でも思い切った予算措置を講じ、被災地の復興と福島の再生を必ずや加速していく。
 【外交・安全保障】
 外交・安全保障も抜本的な立て直しが急務だ。その基軸となる日米同盟を一層強化し、日米の絆を取り戻さなければならない。2月に予定される日米首脳会談で、緊密な日米同盟の復活を内外に示していく決意だ。同時に、米軍普天間飛行場の移設をはじめ沖縄の負担軽減に全力で取り組む。
 外交は、周辺諸国との2国間関係だけを見つめるのではなく、世界全体を俯瞰(ふかん)し、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった基本的価値に立脚し、戦略的な外交を展開する。
 本年は、日・東南アジア諸国連合(ASEAN)友好協力40周年に当たる。15年の共同体構想に向け、発展を続けるASEAN諸国との関係強化は、地域の平和と繁栄にとって不可欠であり、日本の国益でもある。今後も世界情勢を広く視野に入れた戦略的な外交を展開していく。
 わが国を取り巻く情勢は厳しさを増している。国境離島の適切な振興・管理、警戒警備の強化に万全を尽くし、国民の生命・財産と領土・領海・領空は断固として守り抜くことを宣言する。
 アルジェリアでのテロ事件は、国家の危機管理の重要性について改めて警鐘を鳴らした。テロやサイバー攻撃、大規模災害、重大事故などの危機管理対応にさらなる緊張感を持って対処する。
 そして何よりも拉致問題の解決だ。全ての拉致被害者のご家族が自身の手で肉親を抱きしめる日まで、私の使命は終わらない。北朝鮮に「対話と圧力」の方針を貫き、全ての拉致被害者の安全確保および即時帰国、拉致に関する真相究明、拉致実行犯の引き渡しの3点に向け全力を尽くす。


 【おわりに】
 わが国が直面する最大の危機は、日本人が自信を失ってしまったことだ。自らへの誇りと自信を取り戻し、今ここにある危機を突破し、未来を切り開く覚悟を共に分かち合おう。「強い日本」をつくるのは他の誰でもない。私たち自身だ。(2013/01/28-14:29)

[ 2013年1月28日 ]
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